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- ★★★ Excellent!!!人は世につれ、世は人につれ~江戸を彩る人情詞
この小説は、全158話、百万字を越える大長編だ。
にもかかわらず、露ほども退屈さを感じさせないのは、次から次へと展開する話の面白さ、減り張りの効いた文章、何よりも、主人公の真之介をはじめ、キャラがいい。
真之介の妻のふみ、幼なじみの拮平、物書きで利発な姉御肌のお駒、艶やかな芸者の蜜花。敵役の仁神、その他、個性的な脇役が目白押しだ。
そして、随所に挿入された江戸風俗の蘊蓄が勉強になる。
主人公の本田真之介は、もともとは本田屋という屋号の呉服屋だが、侍株を買うことで武士となった”にわか侍”だ。けれども、これが、顔良し、男ぶり良し、知恵もあり、お金もある、何拍子も揃った好人物とくるから…続きを読む