「天河に秘めたる ~奏琶国烈女伝~」は、壮大なスケールで描かれた中華風ファンタジーの傑作です。
主人公の祥華は、父が陰謀に巻き込まれ国外追放されるところを、幼い皇太子・黎基に助けられます。幼いながらも黎基に恋心を抱いていた祥華は、成長後に名も性別も偽り、従軍して黎基に仕えようとします。黎基も次第に祥華を愛するようになりますが、互いの複雑な事情が二人をすれ違わせます。
黎基と祥華の恋愛模様にはやきもきさせられますよ~。成就しそうでなかなかしない二人の関係を、作者の五十鈴さんは巧みに表現しています。それとは対照的に、リアリティのある中華風の国や政治、陰謀、戦闘の描写は圧巻で、最後まで飽きさせない展開です。
中華風の世界観や恋愛小説が好きな方に特におすすめの小説です。