登場人物の心理を克明に綴ったハードボイルド小説

鳴瀬史郞と手塚彰宏は、表と裏の顔を持っている。
表向きは、鳴瀬はオフィス機器の契約担当、手塚は図書館の司書。だが裏の顔は、プロの暗殺者と快楽殺人鬼だった。
ある日、鳴瀬のターゲットを手塚が先に仕留めてしまい、二人の対立が始まる。
この小説の魅力は、何といっても、テンポの良い展開と、鳴瀬と手塚の息を飲むようなアクションシーン。そして、それぞれに違った理由で殺人者になった二人の心理を克明に描いていることだ。
反社会的な存在、あるいはサイコパスでありながらも、彼らは人間らしい感情や信念を持ち続けている。


この小説は、ハードボイルド好きの人におすすめなのは言うまでもないが、BL的な妄想好きの人も楽しめるかもしれない。そのくらい鳴瀬と手塚のやり取りは、かっこよくて胸をドキドキさせる。
スピーディでラストまで飽きさせない展開なので、ぜひ、多くの方にお読みいだたきたい。

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