世間を斜めに見ているけれど、真摯な主人公に共感

 喫茶店でいちゃつくカップルを揶揄してみたり、世間に対してかなり上目線だったり、主人公は俗にいう”いけ好かないタイプ”。
 けれども、彼女の一人も欲しくなり、この主人公が”消去法によるロックオン”で、社内の女子社員の一人をデートに誘う辺りから彼の好感度がどんどん増してゆきます。
 このデートの場面だけではなく、作品の随所に挟み込まれた主人公の”本音”は、ちょっぴり笑えて、この作品の魅力でもあります。

 デートの結末はどうなったか?
 
 ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、ラストはこの作者らしい読後感の良い結び方で閉じられています。
 ぜひ最後までお読みください。デートの舞台になっている古内東子さんのコンサートの描写は臨場感があって、そちらも充分に楽しめる作品になっています。
 

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