概要
来る時に泣き、去る時にまた泣く。それが西成だ。
昭和60年、大阪府警の日野宏輔は巡査部長に昇進し西成署に赴任した。部長になるまで15年かかった。
日野は落ちこぼれだった。同じ転任者の中に、25歳で警察上級職にパスした広中慎一がいた。日野は広中に反感と羨望の思いを抱く。
そんな二人の前に現れた刑事ドラマのシナリオライター、稲田恭子。
西成署を舞台に描かれる刑事のほろ苦い心の呟き。
日野は落ちこぼれだった。同じ転任者の中に、25歳で警察上級職にパスした広中慎一がいた。日野は広中に反感と羨望の思いを抱く。
そんな二人の前に現れた刑事ドラマのシナリオライター、稲田恭子。
西成署を舞台に描かれる刑事のほろ苦い心の呟き。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!この町は、落ちこぼれに優しい
人は光り輝くものをありがたがり、道端に落ちている石ころには目もくれない。
キャリアやブランドをありがたがり、それに群がる人間たち同士が馴れ合い、媚び合い、輝かしい将来のため、上へと登っていく。
資本主義において、上に立つ人間が放つ正論はあまりにも辛辣だ。何故なら、綺羅びやかで人が集まり賛美するものが正義であるから。正論は、弱者を簡単に切り捨てる。
一方で、そういった世界では人が目を背け、侮蔑の対象とする落ちこぼれたちに居場所はない。
出世街道から外れた主人公がこの町で多くの今を生きる人たちに会い、関わりの中で、人情に浸っていく。この空気感が僕は好きだ。
最後の、広中が西成を認…続きを読む