主人公、デュオニスは魔法の腕は天才的で容姿端麗、おまけに家柄もいい。
ですが、そんな彼にも弱点が。
なんと回復魔法が使えないのです。理由は、慈悲の心に欠けているから。
そんな彼は魔法の権威に駆け込みます。
すると、お前は性格が悪いから回復魔法が使えないのだと無慈悲に告げられます。
しかし、彼は劣等生クラスにいることに我慢ならない矜持ある人間。そんな彼が回復魔法を使えるようになるため、慈悲の心を育めるようにとある課題を与えられます。
それは、アンという訳ありな女の子と暮らすこと。
彼女を悲しませず暮らすのが目的ですが、最初からは無理というもの。6つの特別な角砂糖が与えられます。
それは癒しの作用を持っていて、彼女を傷つけてしまった時にこっそりと飲み物なんかに混ぜるものです。
そして同居生活が始まるのですが……彼、速攻砂糖を使うことになります笑
同居開始直後は年頃の男女の楽しい同居生活なんてありません笑
こちらが心配になる程です。これはどうなってしまうんだというハラハラがまたいいんですが。
そんな不器用なデュオニスですが、でもそんな彼がだんだん成長してアンと会話したり、出かけられるようになったり、距離が近づいていくさまは本当に微笑ましいです。
でも、そんな二人に忍び寄る闇が……
そして、数々の衝撃の事実が明らかになる中、タイトルでありキーである6つの角砂糖の意味が明らかになり、読者に猛烈な右ストレートを打ち込んできます。
ラスト、きっと私のように感嘆の声を上げることになるでしょう。
本当に面白いお話をありがとうございます。
皆様におすすめしたい、そんな物語です。
ぜひご一読を。
名門の家柄と才能に恵まれながらも性格が悪く、回復魔法が使えない魔法学校の生徒ディオニス。そんな彼が、慈愛の心を育むために少女アンネリーゼ(アン)と同居し、彼女を傷つけないように奮闘する試練に挑みます。
戸惑いを繰り返す中で、ディオニスとアンの関係は徐々に深まっていきます。しかし、そんな二人の前にさらなる試練が!
ディオニスが不器用ながらも真剣にアンへ想いを伝えようとする姿は、微笑まずにはいられません。アンが抱える重い背景に彼が立ち向かう姿は健気です。
タイトルにもある『6つの角砂糖』がどのように物語の鍵を握るのか、結末を迎えた時、このタイトルに込められた意味に、きっと、心を揺さぶられることでしょう。
主人公のディオニスは天才的な魔法の才能があるのに、慈悲の心がないから回復魔法だけが使えない。
とても斬新な設定に思わず目が留まります。
人を見下すような性格の悪さが仇になっている、という衝撃的な事実を告げられるディオニスですが、彼はそのまま諦めません。
訳ありな女の子アンネリーゼと暮らし、他人を思いやる心を育てて回復魔法を使えるようにしよう! という流れになっていくのですが……若い男女が一緒に暮らしていて何もないわけがないですね!
彼らはお互いにどんな感情を持ち、ディオニスの性格は矯正されるのか?
ディオニスもアンネリーゼも色々と事情を抱えていて、それが明らかになるたびに二人のキャラクターに惹き込まれていきます。
読者を物語に没頭させるための技術も高く、読んでいて飽きが来ません。
常に先が気になり、それでいてしっかりと見所も散りばめられているという完成度の高さに、最後まで腰を据えて読むぞ、と決めるほど魅力的な作品です。
ぜひ、ディオニスの成長を見守って欲しいです!
他の全ては完璧なのに、回復魔法だけ使えない。理由は性格が悪いから。
衝撃的な設定で始まりますが、性格を良くするための試練が女の子と生活して彼女を悲しませないこと。羨ましいような気もするけど、他人のことを何とも思っていない主人公には困難の連続…。
とは言え、主人公は向上心から真面目なので、ちゃんと女の子を悲しませないように真剣に努力します。性格が悪いと言っても親の教育で強くあるべしと育てられた結果みたいなものなので、心根は悪くないのだと私は思っています。
そんな彼なので、とても心優しい女の子との性格で、色んなことを学び変わっていく。そんな未来が期待できる、優しいお話です。