4話 野菜のポトフ 14
まずサーラは包丁を掴むと、幾つかの野菜を吟味する様に眺めだしたら、
「初心者にはカボチャは、難しいわね。…こっちで切っちゃお。」
と言いながら、カボチャを徐に手にして、下拵えをする。ヘタの部分に小さな切れ込みを入れ、隙間に刃先を射し込んでいきながら勢いよく両断した。さらに片方をまた半分に分けて種やワタを手際よく取り除き、一口大に切り揃えてから、角を落としていた。
「…すごい。…綺麗に切れてるわね。」
それをアニタは見て、思わず感想を漏らしていた。
そんな様子をサーラは横目に、手を止めないまま他の野菜も切っていく。にんじん、じゃがいも、の皮やヘタに芽を全て取り除いて、また一口大に切り揃えたら、
「はい。…では次は、アニタさんが切ってみようか。」
と、包丁の向きを持ち変えながら、柄の方をアニタに差し出した。
彼女も頷きながら受け取ると、まな板の前へと移動していき、包丁を手にして静かに動かしていく。時にはサーラの身振り手振りを交えた指示を聞きながら、見様見真似で行っていた。
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