2話 野菜のパン粥 6

 それから親子は、揃って玄関を潜り抜けると戸締まりをし、並んで歩きながら隣の家へと向かう。

 隣の家は質素な様相で木製の平屋造りの建物である。村では、極一般的に建ち並ぶ種類だ。

 ロンドが玄関の扉を二回ノックした。

 すると家の中から、気弱そうな細身の男性が姿を現わした。

 「おや、…サーラちゃんにロンドじゃないか。」

 「こんばんわ、ジョーさん。」

 「やぁ、昼間振りだね。」

 と、親子が挨拶を交わすと、

 「あぁ、あれか。…うちの妻から話しは聞いているよ。…なら、もう寒くなる時間だから、二人共、家の中にどうぞ。」

 とジョーも、すぐさま扉を開けて中へと促していた。

 「「お邪魔しま~す。」」と親子は揃って、家の中へと入っていった。

 玄関を抜けると、すぐに居間である。手前側には食卓のテーブルと椅子があり、奥にはキッチンが設置されている。

 そして奥のキッチンでは、ケリーが湯気の立つ鍋の蓋を開けているようだった。だが背後の気配を感じとり、慌てて振り向いてきた。

 「あぁ、来たのかい!!…ごめんよ、まだ準備終わってないんだよ。」

 「こんばんわ、ケリーさん。…何をしてるの?」

 とサーラは徐に質問する。

 「これかい?…晩御飯作ろうと思ってね。…まだ始めたばかりでね。…一緒にやるかい?」

 対してケリーも笑顔で答えると、手招きしながら、身体の位置を少し横にずらして、並び立てる様にしてくれたのだった。

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