2話 野菜のパン粥 7

 「やる!」

 すぐにサーラも返事すると、行動に移った。抱いていた赤子をロンドの腕の中に預けると、

 「赤ちゃん、お腹すいたじゃろ。…少しだけ待ってておるのじゃよ~。」

 と落ち着いた口調で話しかけながら、キッチンの方へと赴いていった。

 だが次の瞬間に、赤子は泣いてしまう。

 「お、おわっ!?…ジョー、どうしよう?」

 「ど、どうしようって!?…君の方が慣れているんじゃないのかい?」

 「もう、昔過ぎて覚えてないよ!!」

 と、ロンドも慌てふためいてしまう。腰が引けて、情けない姿を晒していた。

 近くにいるジョーも、同じ反応をしていた。

 「あぁ、泣かないで!!」

 「どうしよう!?」

 そのまま、二人して必死にあやし続ける。

 男達のやり取りに、ケリーは呆れて溜め息を吐きながら叱責した。

 「はぁ、…何をやってんだい。…大人なのに、みっともないよ。…呆けてるなら、昼間に頼んでおいた、あれを持っておいでよ」

 「えっと、なんだっけ?」

 とジョーは問いかける。混乱していて上手く思い出せない。

 「揺りかごだよ。…他の人の家から使わないの、貰ってきてくれたんだろ?…だったら早く持ってきて、そこに寝かせなさいな!…ロンドさん困ってんだろう!!」

 すかさずケリーは答えを教えて、急かしだす。

 「あぁ…、確か貰ってきて、家の裏手に置いたままだ!」

 「は、早く!…取りに行こう!」

 そう言われて、ロンドとジョーは部屋の中を慌ただしく右往左往してから、玄関を潜り抜けて外へと出ていった。

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