間章 波乱の事件と再開

間章 波乱の事件と再開 1

 此処は屋敷の二階。ーー

 今は人気もなく、静まり返っていた。

 そこの廊下を奥へと向かって、二人の人影が歩いていた。

 それはジョンドとジュスティーヌである。

 彼等は共に、浮かない表情で前を向きながら、小声で会話をしている。

 「マーチス様が、お部屋から起きてこないのですか?」

 「えぇ。…扉越しに呼び掛けても、ノックをしても返事がないのです。…微かに寝息やいびきの様な声は聞こえているので、起きるまで寝かせてはいたのですけど。…」

 「…それでも変だな、何がなんでも食事は必ず召し上がるはずなのに。…朝に遅れて起きず、ましてや昼過ぎまで出てこないなんて、今までなかったぞ。」

 「…心配なので、様子を見ていただけないでしょうか?」

 「うぅむ。…」

 と、ジョンドが頷いて返事をすると、会話を打ち切って、立ち止まる。

 ちょうど時同じくして、彼等は目的の場所に辿り着いた。目の前には、マーチスの部屋の扉がある。

 すぐにジョンドが代表して扉を叩き、呼び掛ける。

 「マーチス様!…マーチス様!…」

 ドシン!

 すると、部屋の中で大きな物音がした。まるで巨大な何かが床に落ちたようだった。

 「な、なんだ?」と、ジョンドは驚き、声を漏らす。

 その隣で、ジュスティーヌも狼狽えだしていた。

 そのまま彼等は、顔を一瞬だけ見合わせ、再び扉の方に振り向く。

 その直後に、唐突に扉が開くと、

 「なんじゃ、騒々しいの。…」

 と、マーチスが姿を現した。やや首を傾げており、少し頭を擦っているようだった。

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