2話 野菜のパン粥 4

 辺りは、一瞬だけ静まり返る。

 目の前の親子のやり取りに、村人達は様々な反応を示していた。

 苦笑いで、成り行きを見守る者がいる。

 呆れた表情で視線を反らす者もいる。

 あまつさえ、「能天気すぎるだろう。…」と、また誰かが消え入る様に皮肉を呟いていた。

 だが次第に、周囲の大人達は、誰も彼もが顔を赤くして俯いて黙りこんでしまう。己の行動を恥じているみたいだ。

 ハンター組合支部のスタッフも、同じ反応である。

 すると、すぐさまケリーが挙手した。

 「それなら、あたしも一緒にやるよ。」

 「なに?…本気か、ケリーよ?…お主も子育ての経験は無いではないか。…」

 「あぁ、そうだね。…でもさ、私も発見した一人だし、乗り掛かった船さね。…子供にやらせて、大人だけ見てるなんて出来ないわ。」

 「そうかい。…」

 その言葉を聞いて、村長は三度目の溜め息を吐くと、投げやり気味に指示を飛ばす。

 「あぁ、…わかった、わかった。…やる気のない者達よりは、…サーラとケリーに任せるとするわい。」

 「はい!…わっかりました!!」

 とサーラは元気に返事をした。

 それを合図の様に、村長は何も言わずに立ち上がると、そそくさと帰り支度をして扉から外へと出ていった。

 組合のスタッフ達も、慌てて玄関へ赴いていき、見送りを始めていた。

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