4話 野菜のポトフ 7
続けざまに、ロンドが代表して断った。
「い、いきなり…そんな事を言われても困るよ。」
「そこをなんとか。」
しかし、それでもアニタは懇願していた。真っ直ぐに親子を見据えており、決して視線を反らさない。凄く強い意思を感じた。
そのまま同じ、やり取りが続く。
「…どうして、そういう話しになるんだい?」
「…アンタ達の言いたいのは、その赤ん坊はリリャーの子供なんじゃないかって事だろう。…だったら近くにいれば、あの娘が迎えにくるかもしれないと思ったからさ。」
「し、しかし。……来ないかもしれないだろう。」
「…あの娘は優しいから、置き去りになんてしない。…何か訳があるんだよ。…」
「……で、でもねぇ。」
「なぁ、…御願いだよ。…頼む。」
「うぅむ。」「どうしようか。…お父ちゃん?」
次第にロンドとサーラは視線を交わし、少し悩んで考え込んだ。
「わかったよ。…」
しかし、最後にはロンドは呟き、了承した。根負けしたようだった。
「…あ、ありがとう。…恩に着るよ。」
とアニタは喜びのあまりに席を立ち、前のめり気味に身体を躍り出して、親子の手を取って握りしめだした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます