4話 野菜のポトフ 8
ほぼ同時に、他の大人達は溜め息を吐いており、渋々と納得した様子となる。
それから村長は、
「…話が纏まったなら、ワシ等は何も言うまい。…とりあえずは、お主も村の一員として歓迎はするぞい。」
とだけ言い残すと、そそくさと踵を返して出入り口へと向かっていく。
それを合図に、他の者達も各々の行動に移っていく。
すかさず親方が去り際に、声をかけてきた。
「…なら。…俺の方でもハンター連中に、声かけとくぜ。…もしかしたら、探し人の痕跡が山の何処かで見つかるかもしれないからな。」
「…あたしも村の女性陣にも伝えておくわ。」
さらにケリーも呟くと、帰り支度を行い、後に続いて去ったのだった。
アニタも席を立ちつつ、出入口へと向き直り、離れていく後ろ姿へと静かに一礼していた。やがて姿勢を戻すと、親子の方へと向き直っていた。
「とりあえず。…もう僕らも帰ろうか。」
「うん。…お父ちゃん。」
「…アニタさんも、付いてきてよ。」
とロンドが声を掛けながら、席を立って歩き出す。
すぐにサーラも荷物を纏めると、後を追いかけていき、横並びに揃って施設の扉から外に出ていき、家路を急いでいく。
アニタも親子の後を、ゆっくりと付いていくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます