5話 ポテトオムレツ 3

 それから暫しの後に、彼女達は作業の片付けと荷物の準備をし終えると、自宅の戸締まりをしてから、隣の家へと向かった。

 サーラが扉を軽くノックする。立ち所に中から、ケリーが姿を現した。

 「あら、サーラちゃん。…どうしたんだい?」

 「ケリーさん、お願いがあるの。…少しの間だけ、赤ちゃんを預かってくれない?」

 とサーラは問いかける。

 すぐにケリーは首を傾げて

 「おや、何処かに用事かい?」

 「あのね。…卵を取りに、山の方に行くの。」

 「えぇっと、一人で?…」

 「あ、…私も付いて行きますから。」

 やや遅れて、後ろのアニタもおずおずと答えた。

 するとケリーは考え込む仕草をしだすも、納得した様に頷く。さらには、サーラとアニタを交互に見ながら、

 「…貴女なら凄腕のハンターみたいだし、大丈夫かしらね。…わかったよ。…ほら、赤ちゃん、…おばちゃんの方においでさね。」

 「はい。…宜しくね。」

 「あぶぅ。…」

 「任せときなね。…おぉ、よしよし、よしよし。」

 と了承した。続けざまに赤子を受けとると、抱き寄せてあやしだす。

 「ありがとう。…では、いってきます。」

 とサーラは別れの挨拶を交わすと、背中の革の鞄や大荷物を背負い直してから、再び歩きだした。

 アニタも会釈してから、後を追いかけていく。

 そのまま二人は広場を超えて行き、村の外へと出ていく。真正面に聳える高い山を目指して進み続けるのだった。

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