5話 ポテトオムレツ 2

 「さて、今日は芋の料理ね。…」

 そんな様子をサーラは見守りつつ、首を傾げながら独り言を呟き、物思いに吹けっていく。ふと不意に脳裏に電流の様な閃きが走った。

 「…オムレツ食べたい。」

 「はい?!…オムレツがどうしたって?」

 するとアニタも思わず、手を止めて聞き返す。

 だがサーラは、溢れだす思いが抑えられずに、

 「オムレツ食べたい。…角切りの、お芋や細かくした野菜がゴロゴロ入って、玉子がふわふわに焼かれたオムレツ。…あぁ~、食べたい、作りたい!!」

 と説明口調で力説をしている。

 次第にアニタも聞いていくと、食欲を掻き立てられ生唾を飲み込んで、諭す様に語りかける。

 「そんなに食べたいなら、別に作ってもいいんじゃないの?」

 「でもねぇ。…今、家には卵がないのよ。…山に取りに行かないと。…お父ちゃんからは一人で行っちゃ危ないから、山に入っちゃ駄目だって。…仕方ないから諦めるしかないわ。」

 しかし、サーラは肩を落とし、唇を尖らせながら頬を膨らませて唸っていた。頭では理解しているようだ。だが高ぶった気持ちを、落ち着かせられずに不機嫌である。

 (ロンドの意見も解らなくもない。)

 とアニタは思いつつも、少しだけ考えを巡らせていき、「じゃぁ、あたしが付いて行こうか?」と恐る恐る呟いた。

 その言葉を聞いて、サーラが真っ先に目の色を変えながら頷いて返事をしたのだった。

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