2話 3章 玉葱ソースの鹿肉ハンバーグ 6

 「…初めまして、お客人方。…食事中に、挨して申し訳ないね。…ワシは此処より西の国境付近の統治をしている者で、名をマーチスと申す。…以後、お見知りおきを。」

 そんな様子を、老人、ーーマーチスは気がつかず、呑気に自己紹介をしてきた。

 「…は、はぁ。…どうも。」

 と、村長が代表して返事をする。だが辺りを見渡しながら、エピカや周りのメイド達に困惑した視線を向けていた。

 ばあ様やロンドも、同じく狼狽えながら、視線を彷徨わす。

 周囲のメイド達やジョンドも動けず、固まった様に動かない。

 「お祖父様!…この娘ですわ!…さっき話した失礼な子!」

 だが直後に、メローナが金切り声をあげながら、サーラを指差して訴えてくる。

 マーチスは話を聞くも、優しく諭す様に喋りかけだした。

 「メローナちゃん。…そんな事言っちゃ駄目じゃないか。…仕方ないじゃないか、お客人なんだから。」

 「でも!!」

 「…ほら、同じ位の子供なんだし、仲良くしなきゃ。」

 「うぅ~!!…ふん!…知らない!!」

 対してメローナは怒ってしまい、部屋を飛び出してしまう。

 すぐに数人のメイド達が追いかけて行った。

 そのまま彼女達は、姿が見えなくなり、足音が遠ざかる。

 やがてマーチスは溜め息を吐くと、すぐに村人達の方に向き直って、深々と頭を下げだした。

 「すいません。…お客人方。…孫が粗相を。」

 「いいえ。…そんな、お気になさらずに。」

 「サーラも、そこまで気にしてないですし。」

 と、村長夫妻も取り繕いだす。

 ロンドは慌てふためき、より落ち着かない素振りを露にする。

 この空間内で、アリサだけは平然としており、食器と皿で遊んでいたのだった。

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