3話 蜂蜜の猪ステーキ 11

 扉を潜り抜けた先では、騒がしい声が響き渡ってくる。

 ハンター達は、さらに顔を真っ赤にしては、声を大きくしていた。先程よりも出来上がっているのが明白だった。

 そこで、一際に大きな声でサーラを呼ぶ声がする。

 「おぉい、サーラ!…こっちだ!…こっち。」

 すると、中央のテーブルから親方が手を振りながら招いていた。

 同じ席にはロンドを含む他のハンターも数人は座っており、両目を輝かせて視線を送ってくる。

 サーラは悠々と歩きながら、テーブル近づいていき、

 「お待たせしましたよ!」

 と、天板の上の開いた隙間に、料理の皿を置いた。

 まじまじと彼らも見つめてきては、各々が感想を述べだす。

 「おぉ、ステーキか。…こいつはいいな。」

 「でも、これが旨い食べ方なのかい?…いつも食べているのと、そんなに変わらないと思うが。…猪肉は焼きすぎると固いんだよな。」

 「でも、…なんかこの肉は、艶々しているようだぞ。…表面が磨いたみたいに光沢があるなぁ。」

 「…ごちゃごちゃ言ってないで、一口食えばいいだろう。」

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