エピローグ 新しい家族と、赤ん坊の名前。4

 次の瞬間から、村人達は嬉々として、一斉に喋りだす。

 各々が口々に候補となる名前を述べており、討論を白熱させていく。

 「それなら、…キャサリンなんて、どうかい?」

 「いや、…アマンダだろう。」

 「アニシアちゃん、はどうじゃ?」

 「ケリー、」

 「それは、あたしの名前だろう。」

 「いいじゃないか、被ったって。」

 「アメルダ」「メアリー」「ルカ」「アリス」「アイリス」

 しかし、それでも一向に決まる気配はない。

 リリャーは数々の意見に考えが追い付かず、思考が定まらない。今にも目を回しそうである。

 サーラとアニタも、悩む様な仕草をしていた。

 その後も同じ様な光景が続き、繰り返されていく。

 やがて村人の誰かが痺れを切らして、

 「もう、村長夫婦に託そうぜ。」

 と周囲の人々に投げ掛けた。

 すると村人の内の一人が駆け出していく。向かったのは、村長の自宅のある方角だ。

 暫くすると、その人が村長を伴いながら、戻ってきた。

 「村長、早く早く。」

 「わかっとるわい、…全部わかっとるから、そう急かすな!」

 と、村長も文句を言いつつも、話に加わっていく。既に粗方の事情を聞いているようだった。

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