概要
旧家のお嬢様こと梅小路翠子(うめこうじ・みどりこ)さん。縁あって国直轄の特務機関、対怪異浄化情報収集室でお仕事することに。口が悪くて素直じゃない年下の上司こと颯(はやて)くんと、霊的なものは何も見えないのに怪異の知識だけは豊富な勧修寺(かんしゅうじ)先生、賭け事に滅法強い胡桃沢(くるみざわ)さんなどなど、仲間と共に人の心の闇を照らす、ゴーストハント物語です。
カクヨムコン9参加作でした!
おかげさまで中間選考を突破する事ができました。
たくさんの応援をありがとうございました!!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!呪(しゅ)に交われば……。
国直轄の特務機関「対怪異浄化情報収集室」。ひょんなことから、その組織で働くことになった梅小路翠子さんを中心に、ぶっきらぼうな先輩上司の烏丸颯君、「見えない側」の人であるにも関わらず「怪異」大好物な勧修寺先生、魅力ある個性的な面々がその能力を駆使して怪異を祓う冒険活劇……的な物語ではありません。彼ら一人一人の内面や巻き起こる怪異が、やわらかな語り口で繊細に丁寧に描写されるので、奇妙な現実感を伴って読み手に迫ってきます。「脱皮する人間(!)」「ひとに寄生する植物」など、どのエピソードもタイトルだけ見れば、おどろおどろしい印象を受けますが、どちらかといえば硬質で乾いた筆致が、不思議な空気感を立ち上…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!"すべてが縁で繋がっていて、意味のないことなんて何処にもない世界で"
北陸の旧家、梅小路家の一人娘、翠子さんは祖母が亡くなった冬のとある日、ふと自分の左足の小指が「ほどけて」いることに気づきます。日を追うごとに、次は右足の小指が、そして次は左手の小指が……。
そんな怪異に見舞われた彼女を救ったのは、銀縁眼鏡にスーツの男性と、街の若者然とした二人組でした。
彼らは怪異を調査し、祓うという公的機関に属する人々だというのですが——!?
自身に起きた怪異をきっかけに、その謎の機関「対怪異浄化情報収集室」に所属し、怪異と対峙することになった翠子さん。名家のお嬢さんらしくどこかおっとりとしていながらも芯はしっかり者の彼女と、怪異が大好きで分析はピカイチ、でも…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その願いはほどけない
ある日、自分の小指がほどけてしまった――。
そんな不可解な現象が起きた翠子さんのもとに、ある日特別なものしか入れない『対怪異浄化情報収集室』の職員がやってきました。
「これはあなたじゃなくて、あなたの家にかけられた呪いだ」
「糸になるのだったら、縫い合わせるか、あるいは編み込むのが良さそうだねぇ」
その呪いのため、少々、いえかなり特殊な機関で働くことが決まった良家の子女翠子さんですが、彼女はとても前向きでした。
「信じたいんです。自分の力で出来ることを」
彼女の職場は個性あふれる人達ばかり。
呪いの干渉を受けやすく、記憶などを読み取ることが出来る梅小路翠子さん。
口調は荒いけど、翠…続きを読む - ★★★ Excellent!!!お祓いの見習い頑張る主人公 激鈍彼女に恋する彼と
作者さまの趣味てんこ盛りで書かれたというこの作品。見事そのアンテナに引っかかり、私の「好き!」もぎっしり詰め込まれておりました。とても楽しい!
呪や怨念がこもってしまった怪異を浄化、祓うことを生業とする人たちが集まる『浄化室』を舞台とした現代ファンタジー。主人公翠子さんの落ち着いた語り口を中心に、他視点を交えながらの展開もスピーディーで、心地よい筆致の作品です。
翠子さんの「指がほどけていく」という、衝撃的な出来事から物語は始まります。「指が、ほどける?え、大丈夫?」ってなるんですが、はい大丈夫です(ひとまずは)。ちゃんとほどけた指を編んでくれる人がいるんですね。それが年下上司の颯く…続きを読む