その願いはほどけない

ある日、自分の小指がほどけてしまった――。

そんな不可解な現象が起きた翠子さんのもとに、ある日特別なものしか入れない『対怪異浄化情報収集室』の職員がやってきました。

「これはあなたじゃなくて、あなたの家にかけられた呪いだ」
「糸になるのだったら、縫い合わせるか、あるいは編み込むのが良さそうだねぇ」

その呪いのため、少々、いえかなり特殊な機関で働くことが決まった良家の子女翠子さんですが、彼女はとても前向きでした。

「信じたいんです。自分の力で出来ることを」

彼女の職場は個性あふれる人達ばかり。
呪いの干渉を受けやすく、記憶などを読み取ることが出来る梅小路翠子さん。
口調は荒いけど、翠子さんのほどける小指を編んでくれる烏丸颯くん。
心霊現象に興味津々、そんな仕事を生業にしているのに、怪異の類が一切見えない勧修寺双樹先生。
視える力と賭け事と度胸がすごい、サバサバした胡桃沢巴さん。

人を呪うもの。悲しみを抱くもの。
事件を起こす呪物を浄化するため、それぞれ悩みや願いを秘めながら。
「浄化室」は今日も行く!

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