あやかし婚活姫と霊感従者の恋結び

内大臣が末姫、結姫様の入内が決まる。つまりは今上帝とのご結婚、その報せに姫は……
あやかしとの駆け落ちを決意する！？　しかも相手はこれから募集です。
かくして霊感ある従者の一縷君に恋文を託して、幽世で婿探しが始まる。
しかしやんごとなき姫君のお相手とあっては従者一縷くんの目は厳しい。
このまさかの異類「婚活」、どうなる！！？

破天荒に見えて、「身分違いはちょっと」などと宣うリアリストな姫君、結姫さまのキャラがとてもよい！　それでいて秘められた想い、確たる矜持があって……
平安という時代ならではのままならさ、価値観の切なさも噛み締められます。
そして重なるファンタジックな情景美、ラストシーン…続きを読む

ある日、あやかしと駆け落ちしたいと言い出した結姫。従者の一縷は結姫への想いを胸に秘めながら、彼女のためにあやかしを探し始める――

人間なら誰しもが抱えているであろう、「こうありたいのに、あることができない」という苦しみ。それを、本作の結姫も抱えています。
だからこそ、「第8話　駆け落ち」は、何度読んでもうるっときてしまうのです。

苦しんだ先に見つけた、皇子様。
その恋は、愛は、余りにも優しくて、美しくて――

約13,000字という文字数で、ここまで心を震わせる物語を紡げるちづさんの素晴らしさに感服です。
興味を持たれたそこのあなた、ぜひぜひ読んでみてください！🦊

「これより、駆け落ちするあやかしを募集する！！」

結姫のトンデモ異類婚活が始まり、振り回される従者・一縷くん。
はたして、結姫の婚活は上手くいくのか…!?

と、冒頭はドタバタラブコメの気配がする当作品ですが、読み進めれば読み進めるほど胸をギュッ、心臓をヒュッと締め付けられます。
第1話読んだ人は「いやこのお姫様と従者のノリで…!?」と思うかもしれませんが、その裏にある立場や生き方を知れば知るほど、「あああ……」と声を漏らします。



……と、私はお姫様と従者の関係や心情が印象的だったのですが。
きっとこの作品を読んだ人は、どこが印象的だったのか、それぞれ違うのではないでしょうか。特に最…続きを読む