概要
和風ファンタジー異類婚姻譚です。もしくは、誰でもない誰かが、誰かになる話。
一章『神様の上面を破壊する』
二章『生贄たちの裏事情』
三章『神様を恋に落とす』
四章『神様に血が通う』
終章『神殺し、結び』
の全五章。
じれじれ、つかず離れず、胸キュン、こじれあい、ヒロインに冷たいヒーロー、溺愛を目指しております。
Pixivスキイチ企画『神々の伴侶』に投稿している小説の細かい修正版です。
十二ヶ月に割り振られた神さまと同じ誕生月の若者が贄として伴侶に捧げられるお題から。
六月の「見るものが望む姿で現れる幻神」とその贄になる娘のお話です。
企画元様。
スキイチpixiv6月企画「神々の伴侶」(
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!幻ではない想いに、愛に、心打たれました
異類婚姻譚が好きな方なら是非手に取って欲しい。もちろん、そうでない方にも。
もう、私の胸はいっぱいで、これ以上ない感動がありました。
寒寒しい贄と神様から始まる物語。
しかし、時が経ち、仮初ながらも夫婦として歩み、生活していくうちに変わる二人。
人として、神様として、女として、男として、子供として、大人として……
それ以外にも様々な人の角度から捉えた贄物語でもある。
決して単純な恋物語だけではない。
二人が少しずつ寄り添って、恋をして、愛を育んでいく。そうして迎える結末を、見届けて欲しい。
感情とストーリーが合わさって、読者に殴りかかってくるような……最高の満足感が味わえるでしょう。
オ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まぼろしの恋から現の愛へ
村の神『幻神』の贄、伴侶に選ばれた明里ですが、彼女には忘れられない人がいます。『幻神』の姿は性質によりに明里の忘れられない人になっておりますが、その人の『本人』ではありません。
村の恵みをもたらすためには、明里は『幻神』の妻にならなくてはいけません。ですが、明里は『幻神』の妻になることを望んでいません──
これは、特定の姿を持たない『幻神』と伴侶となった明里の和風恋愛ファンタジー。
関係性の進展は本当にたまりません。前途多難ではありますが、彼らが思いを交わす場面を見るたびに、教会の鐘を108回感謝の正拳突きをしたいぐらいです。
あらすじにもある通り、じれじれ、つかず離れず、胸キュン、こじ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この恋は、まぼろしじゃない。
土地の安寧のため、人間が神様の贄になる。日本の昔話では時々あるお話ですが、贄に選ばれた人間と神様はどのように関係を結ぶのか? そこに焦点を当てたのがこちらの作品です。
主人公の女性、明里はどこにでもいる平凡な村娘。彼女は恋人であった男性、千冬と死別して哀しみに暮れていました。そんな折、千冬と全く同じ姿形をした男性が明里の前に現れます。彼の名は『幻神』。村に宿る水の神様である彼は、明里を自分の贄とすることを決め、彼女の望む姿となって天界から下りてきたのでした。
村の安寧のため、村の人間から幻神の贄、つまり伴侶になることを求められる明里ですが、千冬を想い続ける彼女はなかなか幻神を受け入れ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あなたとわたしの境界線を結んで恋と呼ぶのかもしれない
どこから話せばいいでしょう
このとある村の神様とその贄の娘が夫婦になるまでの物語を。
神様は、贄の娘の想い人であり夫となるはずだった人の姿で現れます。
亡き人が戻ってきた――のは「姿」だけで、冒涜のようにも感じられ、贄の娘、明里さんは受け入れられずにいます。でも「贄」であって村の弱い立場でもあり、とても苦しい状況に置かれます。
初めは、人の心の欠如した神様に「えこの人がヒーローであってる……?」までありましたが、でも贄への向き合い方これまでの過去、村で人を知り「明里さん」を知り心を通わせていく過程がとても丁寧に描かれて読み進める内すっかり二人の応援団と化していきました。
昔ながらの閉鎖的な…続きを読む - ★★★ Excellent!!!神様とのじれじれ恋愛。面白いですよ!
祝言をあげる予定だった幼なじみが川で死んで、一年。
前触れもなく、神様がその幼なじみに生き写しの姿で現れて、「おまえを贄に選んだ」とヒロインに告げる……。
じれじれ恋愛、と書きましたが、前半は、じれじれどころの話ではありません。ヒロインは神様を(ほぼ)見ようとしません。
大好きだった幼なじみ。声、姿、まるっきり同じでも、あなたはわたしの幼なじみじゃない───。
どうしても受け入れられない。
昔の田舎の農村なので、村人からの、神様を受け入れろ、との圧力が半端ありません。
それでも、ヒロインは頑なです。
でもね、読んでるうちに、
「そうか……、それは気持ちがわかるなあ。」
となります。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!神さまと贄のじれきゅん和風ラブストーリー
最初はせつなくてシリアス展開だったのですが
途中からニヤニヤが止まりません
じれきゅんもだもだラブストーリーを紹介します。
主人公の明里は村の人と相談の上
神様の花嫁になることを承知します。
その神様は幻神様
明里の許婚だった。けれど死んでしまった千冬そっくりの姿で
幻神様は明里の前に現れます。
見た目は想い人そっくり。なのに千冬ではない。
神の伴侶とならなければならないのに、明里は幻神を拒みます。
カタチをもたない幻神なのに
少しずつ、形となった時……。
まだまだ二人の関係はこじれています。
でも、徐々に近づいている気がします( *´艸`)❀
どこか昔の日本のような美しい情景描…続きを読む - ★★★ Excellent!!!神へと嫁ぐ娘の、切なく美しい和風ファンタジー!
婚約者の千冬を失った明里が、『幻神』なる神様に嫁ぐ物語。
『幻神』は千冬そっくりの姿に変わって明里に近づこうと試みますが、明里、幻神、千冬、三者の思いが少しずつずれた形ですれ違って、胸が切なくなります。
最初はヒロインの明里にスポットが当たっていますが、そのうちに幻神や千冬の心情が少しずつ分かってくると、ページをめくる手が止まらなくなります。
物語の根底を流れる日本の宗教や文化が美しいですし、情景描写も綺麗で映像が心に浮かんで来るようでした。
和風ファンタジーが好きな人におすすめしたい一作です。
お正月にふさわしい、素晴らしい物語を有難うございます。
続きを楽しみにしております! - ★★★ Excellent!!!少女が贄となる時、神様は本物の想い人になれるのか。
ひと月後に祝言をあげるはずだった幼馴染を亡くした明里。その一年後、明里の前に亡くなったはずの幼馴染、千冬が現れた。
十二柱の神様。贄。伴侶。──六月の幻神。
月が本来の位置に戻る頃、その生まれ月の若者が神の贄に選ばれる。贄は天界に迎えられ、神の伴侶となる。
千冬の姿をしたその幻神は、明里に、
「さあ、明里。迎えにきた。俺と一緒になろう。俺と添い遂げよう。俺と、一緒に──カミの国に来てくれ」
と、おぞましい愛の言葉を紡ぐのだった。
日本古来の生贄信仰を題材にしているかと思いきや、ふたりの関係は喰う者と喰われる者という関係ではない。
明里は自分が愛した幼馴染とは全く違う、見た目が同じ…続きを読む