正直に申し上げます
拙いレビュアーであるわたしに、この物語をレビューさせていただく自信がありません
あまりにも素敵なお話だからです♪
ですからぜひ、下記の拙いレビューに失望することなく
この物語をお読みいただければと思います!
近未来都市に生きる特殊な宿命を背負った少女
少女はとある一族の末裔
巨大な組織に執拗に命を狙われていた
ある日、導かれるように少年と運命的な出会いを果たす
優しい少年の中には、もう一つの人格が目覚めることになる
AIの自律型兵士に狙われ、命の危機にさらされる中
二人の心に生まれゆく絆と心
そして二人が出会う様々に魅力あふれる仲間たち
出会いと争いの中、少年と少女はなにを求めるのか
課せられた宿命はどこへ向かうのか
運命がまるで星に導かれるかのように紡がれていく
時間と記憶、静寂と激動、孤独と絆
すべてが物語に秘められて世界が鼓動する
精緻で美しく壮大な宇宙と時空の物語
窓の向こうにある煌めく星をぜひ見つめてください!!!
説明しない勇気が生む信頼感。
壮大なスケールを予感させつつも、まずは一人ひとりの視点を丁寧に積み上げていく物語だと感じました。
プロローグで示された世界観が、少しずつ輪郭を持って立ち上がってくる感覚がとても印象的です。
主人公の能力は派手に誇示されるものではなく、
時間や記憶、位置といった「認識のズレ」に静かに作用するタイプで、その使われ方が物語そのものの緊張感を生んでいるように感じました。
理人との関係性も、説明より先に“距離感”で描かれていて、読者が自然と二人の間に立たされる構成が巧みです。
まだ世界の全貌や勢力の輪郭は見え始めたばかりですが、だからこそ、これから登場する人物たちがどんな選択をし、どんな歪みを生むのかが楽し
み、読み応えのある繊細かつ壮大なストーリー
ます第一話を読んで、その圧倒的な描写に胸を掴まれました。
そしてどことなく物憂げな雰囲気から一転、SFをこれでもかと散りばめた圧倒的バトルが怒涛の如く展開されます。
さらに厨二心をくすぐるワードが多く、初めて聞く単語にもしっかり補足、しかもかなりの物量で精密に設定がされており、この物語の奥深さを与えてくれます。
さらにボーイミーツガールの主人公たちをさらに掘り下げるスピンオフもありながら、それを支えるサブキャラクターたちの外伝なども完備され完成度の高い内容となっています。
個人的にはジャックがお気に入りで、判断がこの後どういう形で物語を動かしていくのかそちらに目を向けてしまっていますが、今後の展開に期待いたします。
<第1話から第3話を読んでのレビューとなります>
近未来都市を舞台に、無機質な風景と人間の感情が対照的に描かれているのが印象的です。
精緻に積み重ねられた設定や用語は、作品世界の密度を高めながらも説明に終始せず、人物の視線や心拍に自然に織り込まれていきます。
物語は行動と感覚の間を往復するように進み、その流れに乗るだけで異界との接触を体験できる構造になっていると感じました。
冷たい規格化された都市の描写が続く中、<彼の肌は、確かな“自然”のぬくもりを宿していた。>という短い感覚的な記述が際立ち、人間らしさや生の存在を鮮やかに浮かび上がらせます。
その対比が、ただの描写を超えて作品全体の核心を示しているように思えました。
人と都市、異能と科学、孤独と邂逅。
その重なりの中で生まれる微細な揺らぎが、物語を多重的にしていると感じられます。
他の方のレビューの通り、設定、世界の作り込みにまず圧倒されます。
どこか無機質なネオン街を連想させるかと思いきや、古いアンティーク感のある時計を連想させられたり
ガジェットや用語などSF要素が押し出されてるかと思いきやファンタジーらしい幻想的な表現も滲み出てきたり。
不思議と見える世界が色とりどりで心躍ります。
物語も、ナイフのように研ぎ澄まされたような空気感でひりついたかと思えば、どこか優しげで切ないような柔らかい雰囲気も現れてきたりと広がりが素晴らしいです。
それが不思議と世界としてまとまりがあり、唯一無二の物語として現れていると思います。
ぜひ一度この世界、体験して浸ってみてください!
『視窓のリメイク』は、悠鬼よう子さんならではの濃密なイマジネーションが結晶化した近未来ファンタジーである。
時間と空間を自在に剪定する〈視窓DV〉、AI生体兵士〈ヴァンロード〉など、作者が提示するSFガジェットはどれも“使い捨ての設定”に終わらず物語の推進力そのものになる。例えば切断されたヴァンロードの義肢が単独で追跡を開始する不気味な演出は、同ジャンル作品との差別化ポイントだ。
とりわけ圧巻なのは、雑居ビル屋上に現れる巨大時計のシークエンス。秒針・長針・短針が両手杖と片手杖へ変質し、戦闘ギアへ再構成される過程は「武器は物理法則を越えても“時”だけは裏切らない」という本作固有のテーマを象徴している。
ミヤビと理人の関係性も魅力的だ。理人の内面に棲むアルヴィンとの三角構造は「善悪の共生」を示す心理劇であり、一方的な暴走に終わらない。
ただし“用語集必須”と言われるほど固有名詞が多く、序盤は人物と概念の整理に時間を要する。また心理描写が長尺になる章ではテンポが停滞する恐れもある。しかしそれらの“重さ”こそが世界のリアリティを担保している点は強調しておきたい。
激しいアクションと緻密な心理戦が交互に襲いかかり、章末ごとに「次を読まねば眠れない」フックが仕掛けられる構成は見事だ。
悠鬼よう子さんの文体は〈詩的×技術用語〉のハイブリッドで、再読するほど伏線の網目が鮮明になる。よって“読解コスト”を払った分だけ濃いリターンが得られる作品である。