ます第一話を読んで、その圧倒的な描写に胸を掴まれました。
そしてどことなく物憂げな雰囲気から一転、SFをこれでもかと散りばめた圧倒的バトルが怒涛の如く展開されます。
さらに厨二心をくすぐるワードが多く、初めて聞く単語にもしっかり補足、しかもかなりの物量で精密に設定がされており、この物語の奥深さを与えてくれます。
さらにボーイミーツガールの主人公たちをさらに掘り下げるスピンオフもありながら、それを支えるサブキャラクターたちの外伝なども完備され完成度の高い内容となっています。
個人的にはジャックがお気に入りで、判断がこの後どういう形で物語を動かしていくのかそちらに目を向けてしまっていますが、今後の展開に期待いたします。
<第1話から第3話を読んでのレビューとなります>
近未来都市を舞台に、無機質な風景と人間の感情が対照的に描かれているのが印象的です。
精緻に積み重ねられた設定や用語は、作品世界の密度を高めながらも説明に終始せず、人物の視線や心拍に自然に織り込まれていきます。
物語は行動と感覚の間を往復するように進み、その流れに乗るだけで異界との接触を体験できる構造になっていると感じました。
冷たい規格化された都市の描写が続く中、<彼の肌は、確かな“自然”のぬくもりを宿していた。>という短い感覚的な記述が際立ち、人間らしさや生の存在を鮮やかに浮かび上がらせます。
その対比が、ただの描写を超えて作品全体の核心を示しているように思えました。
人と都市、異能と科学、孤独と邂逅。
その重なりの中で生まれる微細な揺らぎが、物語を多重的にしていると感じられます。
他の方のレビューの通り、設定、世界の作り込みにまず圧倒されます。
どこか無機質なネオン街を連想させるかと思いきや、古いアンティーク感のある時計を連想させられたり
ガジェットや用語などSF要素が押し出されてるかと思いきやファンタジーらしい幻想的な表現も滲み出てきたり。
不思議と見える世界が色とりどりで心躍ります。
物語も、ナイフのように研ぎ澄まされたような空気感でひりついたかと思えば、どこか優しげで切ないような柔らかい雰囲気も現れてきたりと広がりが素晴らしいです。
それが不思議と世界としてまとまりがあり、唯一無二の物語として現れていると思います。
ぜひ一度この世界、体験して浸ってみてください!
『視窓のリメイク』は、悠鬼よう子さんならではの濃密なイマジネーションが結晶化した近未来ファンタジーである。
時間と空間を自在に剪定する〈視窓DV〉、AI生体兵士〈ヴァンロード〉など、作者が提示するSFガジェットはどれも“使い捨ての設定”に終わらず物語の推進力そのものになる。例えば切断されたヴァンロードの義肢が単独で追跡を開始する不気味な演出は、同ジャンル作品との差別化ポイントだ。
とりわけ圧巻なのは、雑居ビル屋上に現れる巨大時計のシークエンス。秒針・長針・短針が両手杖と片手杖へ変質し、戦闘ギアへ再構成される過程は「武器は物理法則を越えても“時”だけは裏切らない」という本作固有のテーマを象徴している。
ミヤビと理人の関係性も魅力的だ。理人の内面に棲むアルヴィンとの三角構造は「善悪の共生」を示す心理劇であり、一方的な暴走に終わらない。
ただし“用語集必須”と言われるほど固有名詞が多く、序盤は人物と概念の整理に時間を要する。また心理描写が長尺になる章ではテンポが停滞する恐れもある。しかしそれらの“重さ”こそが世界のリアリティを担保している点は強調しておきたい。
激しいアクションと緻密な心理戦が交互に襲いかかり、章末ごとに「次を読まねば眠れない」フックが仕掛けられる構成は見事だ。
悠鬼よう子さんの文体は〈詩的×技術用語〉のハイブリッドで、再読するほど伏線の網目が鮮明になる。よって“読解コスト”を払った分だけ濃いリターンが得られる作品である。
SFファンタジーだよね? と一瞬考えてしまうほどの、独特で重厚で、作りこまれた世界感です。
オーパーツに異世界、それにAIといった、心惹かれるキーワードがいっぱいです。
新しい分野を切り開いた作品と言えるのではないでしょうか。
将来AIの技術が進めばこんなことだって起こり得るかも、そんな予感さえしてしまいます。
描写が細かく丁寧で、文学作品のような香りがします。
物語はまだ序盤ですが、これからどこまで広がってどんな展開を見せるのか、よくある
テンプレとは全く異なるストーリーに、目が離せません。
ゲーム好きの方なら分かるかもですが、新作ゲームを手に取って、家のゲーム機にセットして、そこから広がる世界へのワクワク感、そんなことを思い出しました。
現実世界だけでなく精神世界にも精通する作者様の意欲作です。
ガイドや説明資料もてんこ盛りで、読みやすいですよ。
ぜひあなたも主人公のミヤビと一緒に、まだ見ぬ世界へ旅立ってみてはいかがでしょうか。
情報都市ノイローズ。人の感性が消えた無機質な迷宮と化した未来都市。
ヘテロクロミアの瞳を持つ少女・ミヤビは、偶然のように現れた青年・理人と邂逅する。
2人を追い詰めるは鉄血連合のヴァンロード。
痛みと混乱が理人の心を乱したとき、彼の内面の守護者が覚醒する。
『我が名はアルヴィン。利益を貪りつづける者たちに裁きを下す異世界からの使者だ。』
「君がどのような存在であれ、理人の心に侵入することは許さない。彼は私と共に戦うパートナーだ。」
アルヴィンが邪悪な本性示したとき、ミヤビは理解する。
理人との関わりは運命だったのだと。
ミヤビが片手杖で異空間を展開したとき、ヴァンロードたちは理解する。
その技術と魔法の融合は、現実を超えた脅威であると――。
少年と少女の想いが、運命さえも書き換える。
古代遺産を巡る重厚壮大なSF奇譚。開幕!!