宇宙のドラゴン娘は地球に配信します!
牙野 木奥
第0話
カメラの角度を調整して、照明の加減と立ち位置を合わせたら〜……画面を切りかえてスタート!
「はーい! 今日も遠くの銀河からこんばんは! 宇宙のイルカさんだよ〜!」
:こんばんは~
:そっちも夜か
:昨日とは場所違うね
:後ろのそれ木?
:今日は何するんだろう
お、もう後ろの木に対して反応ありだ〜。
「今日はね〜探索してたら珍しい木を見つけたから、みんなに見せようかなって!」
:珍しい木?
:気になる
:俺らからしたら全部珍しいけどな
:見た感じすごいデカそうってことはわかる
:どんな木だ?
「ん〜……口で説明するよりも、見てもらった方が早いかな。インパクトもあるし!」
えっと、どうすればいい感じに写るかな? 木全体を一気にばーんって写したいんだけど……。
:インパクト優先か
:うーん、配信者の鑑ですねこれは
普通に遠くから写そっか。カメラを飛行追跡モードにして、葉っぱが入らないように上からのアングルで〜…と。
「それじゃあ、木の全体を映したいからちょっと歩くね〜」
:はーい
:出た、自動操縦カメラ
:マジですげーよなぁ
:これが異星技術ですか…
:地球でもこれくらい…作れないわ、うん
:音もなく浮くのはやばい
「ふっふっふ〜…すごいでしょ〜? 地球の技術とはレベルが違うのだよレベルが〜!」
:ガチで違うのはずるいじゃん?
:その技術を地球にも…!
:ドヤ顔かわいい
:ドヤ顔助かる
:ふっふっふ〜
私のカメラは超高性能! このカメラがあれば何億光年と離れた星まで、空間を歪めて電波を届けることが出来るのだ! ついでに、配信画面を空中に映してくれる便利機能付き。
「今は電波の送受信しか出来ないけどー…もう少ししたら超超超超長距離ワープで、直接地球まで行けるようになるかも? 楽しみだね!」
:まじか
:それは楽しみ
:現時点でもだいぶおかしいけどな
:何光年離れてるのそこ
:イルカちゃんに会える……ってコト?!
:宇宙人の地球来訪!?
あ、そっか。地球からしたら私は宇宙人か。
「まぁ私は宇宙人よりも、
:やっぱ来ないで
:手のひらドリル草
:がおー!(地球崩壊)
:そ、それでもイルカちゃんに会いたいんだ!
:意思が強い…
:魔法じゃなくて超能力?
「そうだよ! ハイドラは大体みんな使えるんだ! すごいでしょ〜? ちなみに、私は魔術も使えるよ」
:ハイドラってやべーな
:イルカちゃんみたいなドラゴンが何体もいるのか…
:どっちも使えるのか
そろそろ全体が写りそうかな? ちらっと後ろを確認……おぉ、いい感じ!
「はーい、それじゃあここら辺でいいかな? 珍しい木の全貌をご覧下さーい! はいどーん!」
:おおー!
:めっちゃでかい!?
:なにこれすげぇー!!!
:綺麗すぎる…!
:何メートルあるんだこれ?
:なんか葉っぱ光ってない?!
:はえ〜。宇宙ってすごいなぁ
「高さはー…200メートルくらいかな? 幹の直径は50メートルはあるね。葉っぱが光ってるのはなんでだろうね? でも、キレイなのでオールオッケー!」
いやー、なんで光ってるんだろうね。しかも青とか紫の寒色系なんだもん。
:高すぎぃ!?
:本当に木かそれ?!
:もはやビルだろこれ
:内側に空間とかありそう
:ぐおー…! その木研究したい…!
:研究員泣かせだよこの配信
:そんなのいつもの事だし
「そうだね、いつか地球に持っていくよ。待っててね!」
いえーい! ぴーす!
:あっ…好き
:こうしてまた1人ガチ恋勢が増えるのであった…
:ドラゴンにか
:かわいいのでOKです
ガチ恋されても困るんだけど……まぁいっか! それくらい地球で人気があるってことだもんね!
それで、次はどうしようかな〜。とりあえず、木をいろんなアングルから撮影しよっか。葉っぱが光る原理はその後調べよーっと。
「はーい、それじゃあこれから飛んで木の周りをぐるぐる回るよ! カメラ酔いに注意してね!」
ふわっと浮き上がって、すーっと移動。
:うおー!
:自然のライトアップって綺麗だわ
:星空と合わせてめっちゃ幻想的
:地球でもこれが見れたらいいのに…
「どう? もう少し近くで見る?」
今は全体が見えるように結構遠くからだけど……。
:もう少しそのままでもいい
:葉を! 発光する葉を近くで見させてくれ!
:www
:草
:必死で草
:絶対どっかの研究員じゃんw
「ん〜…じゃあ、ぐるっと一周したら近くで見よっか! みんなもそれでいい?」
:ええで
:感謝…! 圧倒的感謝…!!
それにしても、この木ホントにキレーだね。種とか、家に持って返っていいか後でお父様に聞こ。
「ぐるーーー────……っとね! どう? すっごいキレーだったね!」
:すごかった!
:木で感動したの初めてかもしれん
:舞い散る葉っぱまで光ってるのヤバくね?
:めっちゃ綺麗だった!
:この配信残す?
「この配信はアーカイブ配信だからもちろん残るよ〜。あと、今までのも全部残ってるよ」
:この配信終わったら見てこよー
:葉を! 光る葉を!!
:落ち着けw
:興奮しすぎやろw
そ、そんなに葉っぱ見たいの? ま、まぁそういう分野の研究員からしたらすごい価値があるんだろうけど……。
「ではでは、上の方にギューン! …と近づいて、お待ちかねの光る葉っぱでーす! きらきら!」
:青…いや紫か!?
:ほへー、葉っぱって光るんやな
:異星植物ってすごんだなぁ
:あれ? 研究員どこいったよ?
:全力でスケッチしていると思われ
:草
:葉そのものは緑色?
「うーん、そうだね。葉っぱ自体は緑色で、ところどころ水色とか紫色に光ってるみたいだね!」
ずっと光り続けるわけじゃなくて、ホタルみたいにチカチカしてる。
「天然のイルミネーションだね〜。あ、芋虫! じゃーん!」
:ぎゃあああ!!
:でっけぇ芋虫だなそいつ
:キッモ!
:うわきっも
:足をこっちに向けないで!
「なんか反応イマイチ? 蝶になったらすっごいキレーになると思うんだけどなぁ…もしかしたら蛾になるかも? まぁいっか。じゃあね〜芋虫さん」
こんなに大きい木なんだから他にも動物がいるかな? 配信に写せたらいいな!
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