第69話 森と霧3
「なんだかんだ話し込んじゃったけど、もうそろそろで日が沈むね!」
:夕空が綺麗
:いやー、こういう景色が見られるからこの配信見るのやめらんないんだよなぁ
:わかるマン
:家にいながら宇宙のどこかの星の景色が見られるって普通にすごいよ
:イルカちゃん温泉には入らんの?
「どうしよっかなー? せっかくだし入ろうかな! あ、でもその前にご飯食べてからにしよっと!」
:お風呂配信…ってコト!?
:ちょっくら風呂沸かしてくるか
:実質混浴、ってわけね…!
:どこがだよ
:お、久しぶりの宇宙料理か?
:鉱物砕いて並べるのを料理って言い張るアレかww
:カレー作れるのになぁ…
:今日はどういう隕石かな?
:前回は確か……この星の衛星の欠片だったか
「温泉旅館っぽい料理みたいなのが食べたいなぁ。日本で有名なところって、どーゆーのがあるの?」
:温泉旅館っぽいもの……なんかある?
:地域によって違うことくらいしかわからないですね!
:自信満々に言うことじゃねぇよな? それは
:なんか一つ一つの量は少なめで、いっぱい出てくるイメージある
:伊勢エビの踊り食いとか?
:近所に鯨肉食えるとこあった気がする
「
:草
:共食い草
:名前がイルカなだけでしょうがw
:食べようと思ったら食べられるの?
「そーだね、食べられると思う。クジラって美味しいってお爺様から聞いたことあるし!」
:お爺様食べたことあるのか
:そっちのクジラも捨てるとこなし、なのか?
:美味しい(ハイドラ基準)、の可能性もあるわけだが…
:イルカちゃんは食べたことないのか
:昔は日本でもクジラ肉がそこそこ食べられていたらしいぞ
:ウチのじいちゃんが給食で食べたことあるって
:……じいちゃんと見てんの今?
「給食でクジラ!? いーなー! 私も今度帰ったら食べに行ってみよっかな! それで、他にあるひとー!」
:でもやっぱなんだかんだで肉だよね
:鹿肉!
:刺身とかは?
:ここ森だし、肉と野菜でいいでしょ
「お肉が多いかな? それじゃあ! 今日の夕ご飯はお肉メインで決定! 拡張空間にあるからそれ使おうかな! …あと、これも使う! じゃーん!」
:エプロンだ
:かわいいー!
:いつの間に……
:ヤバ、彼女感ぱねぇ
:多数の尊死を確認した
◆
「かんせーい!! なんかすっごいオシャレな感じになった! みんなありがとね!」
:完成!!
:おいしそー!
:もうすっかり夜やね
:彩り鮮やかな皿になったなぁ
:肉と野菜のタワーや
:1人分とは思えないけど、イルカちゃん食べ切るんだよねコレ
:大食いでなんかこういうの見た
:水上クッキングでここまでやるとは正直思ってなかったわ。やべー
:お高いテーブルがピッタリの料理になった
:いいね、美味そう
「それじゃあもう食べちゃおうかな〜! みんなも準備できた?」
:準備万端!
:カップ麺の準備は完了!
:ちょ、待っ
:食べよ食べよ!
:準備できました!
:いつでもいいぞ
:待ちきれなくてもう食べてるわ
「いただきまーす! まずは野菜からかな! どれどれ〜……」
─シャキシャキ!
:うわすっごいいい音するじゃん
:お味の程は如何程に?
:シャキシャキ感が画面越しにでも伝わってくる
:イルカちゃんの顔が緩んでるww
:かわいいw
「おいしー! 素材の味がすごいねコレ! みずみずしい感じも残ってるし、我ながら完璧!」
:いいなぁ! 食べてみてー!
:結構高そうな野菜だったから味も相応ってことか
:完成度が違うわ
「(もぐもぐ……♪)」
:かわいいなこのドラゴン娘
:黙々と食べてやがる…!
:美味しそうな表情してるよホント
:そんな野菜美味いんか……
「うん、おいしい! じゃあ、次はお肉!」
:満を持してだな
:それ何の肉って言ってたっけ?
:マジで美味そうな肉じゃん!
「このお肉はね、この星で狩ったイノシシ…みたいな動物のお肉だよ! 部位とかはわかんなかったから、なんかテキトーに選んだけどね!」
:イノシシの肉ってどんな味がするんやろ?
:『みたいな』ってのが若干心配なんだけど……
:見た目はかなり上モノの雰囲気あるからいけるっしょ
「まぁとりあえず食べてみよー! ……あ、美味しい!!」
:へぇー、美味しいんだ
:声でかw
:イノシシの肉は美味しいから、似てるやつも美味しいってことだな
:下味つけて焼くだけでいけるのか
:イルカちゃん焼くの上手いから当然よ!
:火力は完璧だもんなぁ
「美味しーおいしー! 箸が止まらな〜い! 野菜と一緒に食べるのも…………うん! ありだね!」
:幸せってこういうことなんだなって
:どうした急に
:気持ちは分かる。女の子が笑顔でご飯を食べてるのを見るのは幸せな気分になるからな
:イルカちゃんだと尚よし
:いっぱい食べるキミが好き
:もう半分くらいまで減ってるんですけど
◆
「ごちそうさまでした! いや〜、ホント美味しかったね!」
:ごちそうさま!
:ごちそうさまでした
:おいしそうだった!!
:食べ終わったお皿がまぁ綺麗なこと
「ふぅ〜……少し休憩! もうちょっとしてから温泉入ろっと!」
:今更ながらあれだけの量がこの体のどこに……?
:胃袋ブラックホール
:質量保存の法則さんは息してるんだろうか…
:してなかったら世界の法則が乱れるんですがそれは
:バリアとかある時点でかなり乱れてるから問題ない
:問題しかない
◆
「これそこそこ恥ずかしいね……!」
:フォォォ!!
:かわいい!
:バスタオル姿の破壊力やばすぎてやばい(語彙力)
:ほわァァァ!
:あーいけませんお客様えっち過ぎます!
:ヴェッ……
:こ、これは配信して大丈夫なのか?
:かわいい
:復活してきた湯気で雰囲気も良いし最高か??
:同接人数エグいぜ
「一応下に水着は着てるんだけどー……なんか、ね? ま、とりあえず入浴! いざっ」
:マジ脚綺麗よねイルカちゃん
:いつにも増して所作が美しいわ
:ふつくしい…!
:とても……エッッです……
:お風呂シーンは昔から数字稼げるって言うからね
:湯加減どう?
:熱くない?
「ふわぁ〜……! あったかくてイイ感じ〜…!」
:めっちゃ気持ち良さそうww
:髪がw
:髪痛みそうなんだけど…イルカちゃんだし平気か!
「ふぅー……今週も頑張ったがんばった! みんなも一週間お疲れ様♪ 今日はゆっくり休んでね〜」
:おつかれさまです
:ありがとー!!
:仕事の疲れが今ので吹っ飛びました
:あ〜心が癒されるゥ〜!
:土曜日に仕事してる奴いるのか…
:休みまァす!
「……ここホントにいい場所だよね〜。ミコちゃんに感謝しないとだね。ありがと♪」
:ミコちゃんすごいわ
:サンキューだぜミコちゃん!
:これは賞賛に値する
:良い友達を持ったな
「うん! 本っ当に良い友達が出来て、私も嬉しい!」
地球で過ごし、亡くなった。
そこから、ハイドラとして生まれ変わり地球へと配信することになるとはホントに予想出来なかった。
最初はほんの軽い気持ちで始めたけど、それで良かったと思っている。
そのおかげで、変に気合いを入れて空回りすることも無かったし。…我ながら、上手くやれたよね。カメラを作ってくれたお兄様には感謝しないとね。
いつかは家の事を受け継ぐんだろうけど、それまでは好きに生きようと思う。
……お兄ちゃんとお義姉ちゃんの事もあるからね!
前世と今世、両方の両親に親孝行もしたい!
ヤヨイちゃんとミコちゃん、それ以外のアンドロイドの子たちとも遊びたいし!
またアリスちゃんとダンス踊るのもありだね!
「ふふっ♪」
:どしたの?
「ううん、なんでもない! まだまだやりたいこといっぱいあるな〜、って思っただけ!」
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