第58話 宇宙のコラボ配信2
「これだけいっぱいの人たちに見られてるって思うと、なんだかライブみたいだよね!」
「で、ですね〜…」
:同接多いな
:みたいじゃなくてライブなんだよなぁ
:今約3万人!
:なんなら現在進行形で増えてるし
:アリスちゃん側の人たち足したらもっと多いんだよね?
-普段とは比べ物にならないくらい多いからね
-初見さんもたくさんいるのかな?
-いるでしょそりゃ
-そろそろ始まる?
「そうだね! それじゃあ準備があるから、ちょっとだけ待っててね! 行こ、アリスちゃん!」
「は、はいぃ!」
「あと、準備完了までの繋ぎはお兄様よろしく!」
「…わかった」
:草
:めっちゃ渋々って感じやんw
:お兄様も大変だな
-エースターさんに質問とかしてもいい、ってこと?!
-ものすごく貴重な体験なのでは…?
-当たり前でしょ
-ハイドラだぞハイドラ
「何か質問あるか?」
:何歳?
:どこ住み? レインやってる? てかこの後ヒマ?
:ナンパかてwww
:失礼ですがご職業は? 免許証などは…
:職質かな?
:イルカちゃんのことどう思ってる?
-得意な魔術とかありますか!?
-何歳なんだろ。私よりも年上とか?
-竜だし長生きだとは思うけど
-いくつの惑星を今まで訪れましたか?
-なんか翻訳した文みたいだな…
「年齢は514だ。住んでいるのはこの船。一時期エンジニアとして働いていたことがある。分身魔術が一番得意だが、他の超能力の方が何倍も使える。訪れた星か……500は超えている」
:船に住んでるのか
:まぁデカいし住めるわな
:一時期ってことは今無職?
:一生エンジニアとして食っていけると思うんだけど
:500って想像つかないぞ…?
-えっ、私より年下なんだけど…
-アンタ何歳だよw
-まだまだ若いね〜
-分身魔術って普通に難しいやつじゃ…
-めちゃくちゃ難しいが?
「完全に無職というわけでもない。今はただ旅をしているだけだ」
『お兄様ー! 準備おっけーだよ!』
「わかった」
:お
:きた
-キタキタ
-待ってました!
「……一応言っておく。部屋は明るくするように」
◇
全ての照明が消え、暫くした後にBPMの速い曲が流れ始める。
:キタ━(゚∀゚)━!
:アガるわ
-この曲は…
-アリスの得意なテンポだね
左右からレーザーのように細長い、緑色と水色で作られた光が空間を照らす。
右からフィーが、左からアリスが出てくる。同じステップを踏みながら。鏡合わせのようだ。
:いやめちゃくちゃ上手いやないかい!
:うま!?
:すげー! カッケェ!
:切り抜き確定やね
-すごい!
-イルカさんがアリスの動きに合わせられてる…
-こんなにそっくりに踊れるとは…!
-アリスが2人に増えたみたいだ
ポーズを決めたまま、一瞬背中合わせで止まる。BPMが早くなり、また動き出す。光も増える。
鏡合わせのさっきまでとは打って変わり、少しずつ違う振り付けで踊る。
:フロア熱狂の音…!
:臨場感、溢れるぅ〜!
:ヤバい、ダンスから目が離せん
:どうやって文字打ってるんですかねぇ…
-うぉぉぉ!!
-アリスカッコイイ!
-イルカさんもダイナミックに動くなぁ
-最高かよ!
お互いの動きを決して邪魔することなく、けれども大胆かつ繊細。あくまで俺の主観、素人目だが。
というかフィー、いつの間にそんなに踊れるように……。
……これを直接見ているのは俺だけか。こういう機会は、長いハイドラの一生でも多くは無い。見ることが出来てよかった。これにはそれだけの価値がある。
それにしても、本当に楽しそうに踊るものだ。実際、楽しいのだろう。あれだけの笑顔だからな。
:髪ばっさばっさしてるけど絡まってないのどうなってんの…?
:ほんといい笑顔でダンスするね
:今の腕の振り好き
-心から楽しんでるじゃん
-顔がいい…!
-今のとこ好き!
また速度が変わった。そろそろクライマックスか。
ステージを広く使いながら体全体で魅せてくれる。
「♪」
:目合った! 今目ェ合ったァ!
:アリスちゃんのウィンクいただきました!
-ファンサ最高か!?
-イケメンなアリスも推せる〜!
今のウィンクはアドリブか? ファンサービスというやつか。あれだけ俺にビビっていたのが嘘みたいだな。踊っていると性格が変わりでもするのか? あの一瞬でよく出来たな。
…楽しそうだからなんでもいいか。
曲が終わる。
正面を向いてそれぞれのポーズでフィニッシュ。
:フゥー!!
:息一つ切れてないのヤバくね?
:めちゃくちゃいいものを見れた!
:再生数エグいことになるだろうな
-アリス最高だったよー!
-イルカさんの振りもすごいよかった!
-やっぱ踊ってる時のアリスはかっこいいね
-ギャップ萌え
そして照明が落ち、ダンスが終了する。
◆
「どうだった!?」
:控えめに言って最高
:ダンスだけど『舞』って感じもした
:わかる
-正直ここまでとは思わなかったよ
-アリスと肩を並べるレベルなのはすごい
-イルカさんが一流ダンサーって言われても分からないくらいには上手くて驚いた
「アリスちゃんはどうだった?」
「さいっこうでした! ぼく、周りに合わせるのが苦手で…でも! イルカさんが合わせてくれたのですごく踊りやすくて楽しかったです! ありがとうございました!」
「ふっふっふー! どういたしまして♪」
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