第22話 異星の命2

 

「ここが私達の暮らす場所、第三コロニーです。場所を確保する際、ドルフィン様には全面的に支援していただきました」


:デケェ!?

:めちゃくちゃ近未来的建物!

:横向きの円柱?

:これが宇宙にあったってすげー…!


「どうせなら、暮らしやすい場所に住んでもらいたいからね! 場所選びはこだわったよ!」

「その節はありがとうございました」

「いえいえ〜」


:平和だ…

:ほわほわしてきますわ〜

:守らねば

:草原と近未来の建物って意外と合うんだな

:ゲームみたいだよね


「でもこれだけ大きいと掃除とか大変じゃない? そーゆーのどうしてるの?」

「ロボット掃除機を使用しているので問題ありません」


:ルンバだろうか?

:ロボット掃除機はどこでも活躍できるんだな


「へぇー。それエネルギー足りる?」

「ダークマター変換炉を搭載しているので、単純な電力としてなら枯渇することはありません」

「なるほど。それじゃあ、ここに来るまでもボイドは避けてきた感じか。私もあれ嫌いなんだよね、痛いし」

「痛い、で済むんですね…」


:???

:よく、分からないな

:俺らにも分かるように言ってほしい…

:出たな、ダークマター


「あ、みんなごめんね。ダークマター変換炉ってゆーのは、ダークマターから他のエネルギーに変換する装置のことだよ。名前のまんまだね!」


:そもそもダークマターを知らんのよ

:宇宙にある何かだとは分かる

:説明を聞いたはずなのに疑問が増えた

:ボイドってなんです?

:ここにきて新しいワードか…

:地球でのそれと認識が違う可能性の方が高いな…


「……ダークマターとボイドの説明も必要でしょうか?」


:お願いします!

:ヤヨイさんの説明の方がわかりやすそうな気がする

:イルカちゃん天才肌タイプだからな!

:つまり説明が下手と


「失礼な! あと、せめて省略するのが上手いって言ってよー!」


:草

:草


「もぉー! …まぁいっか! じゃあ、詳しい説明お願いしていいかな?」

「お任せ下さい。まずダークマターとは、銀河を繋ぎ止めている素粒子のことです。直接触れることができずに、質量のみを持ちます。この素粒子が無ければ、銀河は遠心力で重力を振り切りバラバラになります」


:なるほどわからん

:触れられない…?

:分かるような…分からないような…

:質量があるから重力もあるってことか?


「はい。ダークマター変換炉は内部でそのダークマターにより重力を偏らせることでダークエネルギーを発生させ─」



「─とすることで、半永久的に電力と熱を確保することが出来ます。以上ががダークマター変換炉の原理と、ダークマターの活用法になります」

「ありがとね! ところで……今の説明、みんなは分かった?」


:分からない!

:さっぱりわからん

:意☆味☆不☆明

:頭が追いつかないです…

:だいたい分かった

:つまり、なんかすごい動力源ってことだな!


「……まぁ、そういうことです」

「わ、私は完璧に理解できたからいい説明だったよ!」


:理系なら理解出来るんだろうが…

:理系でもキツいて

:そもそも必要な前提知識が我々地球人には足りてないんですよ

:後でもっかい聞くか…


「最後にボイドの説明ですが─」

「ちょ、ちょ、ちょっとすとーっぷ! みんな疲れちゃったみたいだから、一旦休憩しよっか!」

「! 大変申し訳ございません。説明することに意識を向けすぎていました」

「そ、そこまで謝らなくても大丈夫なんだけど…」


:ε-(´∀`;)ホッ

:助かったわ


「それでは、休息エリアへ案内します」

「え、カメラ入って大丈夫なの?」

「誰もいない部屋がありますので、そこなら何も問題ありません」

「じゃあ、そこにれっつごー! ほらヤヨイちゃんも、ごー!」

「ご、ごー?」


:ごー!

:ごー!

:かわいい

:ぐうかわ

:きゃわわ!



「あ〜……このクッションで寝られる〜……」

「満足していただけたようで何よりです」

「大満足〜♪」


:幸せそう…

:これが噂の、馬も駄目にするクッションですか

:メーカー違うだろw

:竜も駄目になるクッションか…

:そのクッション欲しいですわ!


「んー、ヤヨイちゃんも休憩しよ?」

「いえ、私はアンドロイドなので疲れたりは─」

「いいからこっちこっち♪」


─ぐいっ


「えっ」


─ぼふっ!


「うん、いい感じ♪」

「…………あの、これは?」


:添い寝ダァァァ!

:これだけで1年は頑張れる!

:キマシ?

:並ぶとデカさの違いがよく分かるな

:どこ見て言ってんだお前

:イルカちゃんもある方なんだがなぁ…


「この方がリラックスできるでしょ?」

「……隣にハイドラがいると思うと、どうにも緊張してしまいます」

「あれぇ?」


:草

:草

:確かにwww

:隣にいるのが素手で岩破壊できるようなドラゴンだもんなぁ

:別の意味でドキドキしちゃってリラックスどころじゃないなw


「えぇぇぇ? じゃあ、ヤヨイちゃんって普段はどうやってリラックスしてるの?」

「そうですね……特にこれといった手段はありませんが、戦後は綺麗な海の写真を見ることが多かったです」

「おー、何とも反応に困る…」


:重い…

:重すぎて草も生えない


「ですがこの星に来てからは、この目で実際に美しい海を見ることを心の癒しに出来ると思っています」

「…そっか! それじゃあ、後で海までの安全なルートを教えるね! 時間が出来たら行ってみてほしいな♪」

「何から何まで、本当にありがとうございます」

「んー、なんか照れちゃうなぁ〜♪」


:心が…浄化されていく…!

:尊い……!!

:ウッ…(尊死)

:帰ってこーいw

:まだ死ぬには早いぞ…

:ぐっ…なんとか致命傷で済んだな…!

:死にかけてんじゃねぇかw

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