第23話 異星の命3
「ここに3つのスナイパーライフルがあるじゃろ? この中から好きなスナイパーライフルを一丁選ぶのじゃ!」
:闇のオオキド博士やんけ!
:物騒なゲーム始まったな
:初心者向けのライフルからにしてほしかったな…
:さすがに競技用だよね…?
「いえーす! もちろん全部競技用だよ! というわけで、今から長距離射撃スコアアタックをするよ! ヤヨイちゃんとね!」
:いえーい!
:奥に長いのはそういう訳なのね
:本職のスナイパーとスコアアタックするのか
:勝てる?
「わかんないけど、勝負だからね。誰が相手でも手は抜かないよ?」
「はい。私も100%の性能でドルフィン様のお相手をさせていただきます」
「…あ、なんか勝てる気がしないかも」
:駄目だ勝てる気がしない
:バチバチやってたスナイパーの全力とか怖すぎ
:雰囲気がやべぇ
:イルカちゃんってスナイパー撃ったことあるん?
「仮想空間でなら飽きるまで撃ったことあるけど、ここのは初めてだね〜」
「そろそろルール説明にしましょうか?」
「おねがい!」
「了解しました。この長距離射撃スコアアタックでは、5つのターゲットに命中させる正確性とその時間を競います。ターゲットの中心に近づく程得点が高くなり、掛かった時間によって得点倍率が変化します」
:ありがちなルールやね
:シンプルだ
:面白そう
:ミスっても問題ないのか?
「撃てる弾数は五発のみなので、ミスショットをした場合の得点は加算されません」
「あ、結構厳しいんだね」
「元はスナイパーの射撃訓練で行われていたもので、一発も外さないようにするためのものですので」
:なるほどなぁ
:スポーツになって良かったね
:こっちとそこまで変わりないな
:ヤヨイさんも昔からやってる感じか…
「ターゲットの位置ってランダム?」
「はい。毎回出現場所は100~150メートルの範囲でランダムに決まります。ですが、動くターゲット3つに、動かないターゲット2つというのは固定です。撃つ場所はこの線を越えなければ、どこからでも構いません」
「なるほど。動くターゲットもあるんだね」
:100メートルも離れてるとこに当てるのか
:実際のスナイパーよりは全然近い
:あくまで競技なんだな
「最後に競技用スナイパーライフルについてですが、撃つのは実弾ではなく、競技用のホログラム弾になります。これは僅かな電子を持ちますが、何か物体に影響を及ぼすことはありません」
:完全競技用で安心安全ってわけね
:ハイテク!
:日本でも作れるか…?
:無理だろ
「ルールは以上となります。何か質問はありますでしょうか?」
「ううん。私は特にないけど、みんなはある?」
:ない、かな?
:ないだろ
:計測終了って、どのタイミングなの?
「計測はカウントダウンで始まり、終了のタイミングは五発目が何かに当たった瞬間となります」
「ターゲットか壁、あと床ってこと?」
「はい」
:そっか、最後をミスる可能性があるか
:なるほど
「他にはなさそうだね! それじゃあ、どのスナイパー使うか決めよっか! それぞれ特徴とかある?」
「ほとんどありません。左から順に威力が高くなっています。その分反動も大きいですが」
「なら軽い方が有利じゃない? 使いやすそうだし」
「いえ、一概にそうとは言えません。というのも、威力が高いということは弾速も速いということであり、0.01秒単位で勝敗が決まるこの競技ではそれが重要な要素になってくるのです」
「うぇー、やばー…」
:なんか難しいな
:素人には0.01秒の世界とか分からんのよ
:そこまで細かく計測するのか…
:なら俺は威力重視のロマン型で
「ドルフィン様は初めてですので結局のところ、気に入ったものを使うのが一番かと。ちなみに、私のオススメは真ん中のG-FFです」
「んー、じゃあそれで! 私はスナイパーライフルとかわかんないし、ヤヨイちゃんのオススメなら大丈夫でしょ! それじゃあ、ちょっと練習タイム!」
◆
「よーし! 構え方も撃ち方もばっちり! さっきの練習だとそこそこできたから、本番いってみよー!」
:おー!
:いってみよー!
:目指せ70点超え!
「70点超えには、全部のターゲットに8点以上かつ25秒以内ならおっけーだよね! ヤヨイちゃん、お願い!」
「はい。準備は完了しましたか?」
「完璧だよ!」
「それでは、初心者のボーダーライン超えの70点を目指して頑張ってください」
おわー! 緊張してきたー! でも落ち着いて……集中!
『ドルフィン・ロースター・ファフニル様の挑戦です。カウントダウンを開始します。5…4…』
:遂に始まるのか!
:ドキドキ!
:3!
『3…2…1』
─ビーッ!!
ターゲットの出現した位置は……右上、上、左上、左、正面。止まってるターゲットから撃とうか。
スコープでよく狙って…。
「まずは正面!」
─バァン!
─リン!
:始まったってもう一発目!?
:早っ!?
:早撃ちじゃねぇんだぞ!?
「当たったね! 次は左上!」
ここをガチャんと引いたら…もう一度よく狙って、撃つ!
─バァン!
─リン!
また引いて、よし!
:!?
:えぇぇぇぇ!?
:えちょ、早くない!?
:練習はほんとに練習だったってことか…?
ここからは動いてるターゲット! 近いのは左にあったターゲットで、少し右に動いてる。
「ま、それくらいならっ!」
─バァン!
─リン!
「あ、ちょっとずれた! まぁいっか! 次!」
:【朗報】ここまで約5秒
:上手すぎる!
:FPSゲームのスナイパーやん
:なんだその爆速ボルトアクション…
「上にあったのが、いつの間にか左下まで……」
むむ、速度が変化しながら動いてる…。ってかあれ奥にも移動してない!? 先に撃っとかないとめんどくさそう。
─バァン!
─リン!
「よっし! 最後って!? なんかすごいスピードでジグザグに動いてるんだけど!? 最初あんなんじゃなかったよね!?」
「あれは仕様です」
「ウソでしょ!? あれ撃つの!?」
:草
:イルカちゃんも早いがこれはwww
:ここにきて初見殺しw
:早く撃つんだイルカちゃん!
:今8秒!
「しっかりと観察すれば大丈夫…なはず!」
あのターゲットは…右上、左上、右、左、右下、左下、そして最初の位置に戻るって感じね。問題はその周期が1秒くらいってとこなんだけど、それなら…!
「……ここっ!」
─バァン!
スコープ越しに見えるのは壁のみ。だけど、130メートル離れてる場所に銃弾が届くまでは僅かにタイムラグがある。つまり─
─リン! ビーッ!!
「当たった!」
:マジで!?
:なんで当たるんだよw
:初心者だよね?
:今日初めてスナイパー持った人のやつじゃないだろ…
:だってドラゴンですし?
:イルカちゃんですから
『只今の得点を発表します。8、10、6、7、7。11.72秒。最終得点は71.5464』
「やったぁ! 70点超えた! ぎりぎりだけど!」
「おめでとうございます」
「ありがと! これもヤヨイちゃんがいろいろ教えてくれたおかげだよ〜!」
:おぉー!
:すごっ!
:タイムでカバーした感じか
:2つ目完璧やん!
「そう言ってもらえると嬉しく思います。ですが、それもドルフィン様の才能あってのことです」
「そ、そうかな〜? まぁハイドラだし? それより、次はヤヨイちゃんの番だよ!」
「それでは─」
◆
─ビーッ!!
─バン! バン! バン! バン! バン!
─ビーッ!!
『只今の得点を発表します。10、10、10、10、10。2.77秒。最終得点は98.6150』
「私の勝ちです」
「…………えぇぇぇぇぇぇええ!!!???」
:!?
:何が起こった!?
:これがプロか……!!
:伝説のスナイパーだろヤヨイちゃん
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