第6話 遺跡3

 

「……わぁ」


:ファッ?!

:天井トゲだらけやん!

:一本の通路でここまでやるか?

:潰されたら終わりだな

:…なんかイルカちゃんはその程度じゃ死ななそう

:なんなら傷一つ受けなそう

:ここ通るの?


「んー、道がここしかないんだよねぇ〜…。通らざるを得ないってゆーか、通るしかないって感じ? ま、なんとかなるでしょ! 最悪、竜の姿で建物ごと壊すし」


:竜形態?

:考え方が脳筋で草

:普通に高速移動でトラップ無視できない?


「…たしかに! あ、でもそれだと見てて面白くないでしょ? どうせなら緊張感があった方が良くない?」


:面白さよりも安全優先してもろて

:美少女が遺跡で騒いでるだけでも面白いけどな

:てか気づいてなかったんか…

:発想力:G

:どうせなら全部のトラップ見てみたい

:なんてこと言うんだ…


「誰が発想力Gだ!? そんな事を言う人にはこうだ! ふー!」


─ゴォォォォ!!


:ぎゃあああ!!!

:熱ッ…くはないがびっくりしたわ

:やべ、お茶こぼした

:ドンマイ

:か、カメラ大丈夫なん?


「カメラは大丈夫だよ! なんたって、宇宙空間でも壊れない特別製だからね!」


:それ何処で売ってます?

:ばっかお前、地球にそんなものがあるわけないだろ!?

:いや地球じゃないならどこで作ったっていうんだよ

:別の星だよ

:んなわけw


「はい、カメラの話は終わり! 先に進むよ!」


:いや元はと言えばイルカちゃんが…

:はいこの話終わり!

:むぅ…


「うーん、足元にスイッチがあるかもしれないし…ワイヤートラップもあるかも? 赤外線センサーはないみたいだけどね」


:え? わかんの?

:年代的に赤外線の技術はないかと…

:予想じゃなくて断言なのか


「こーゆートラップって、注意深く観察したら判別出来るって言うけど……これは無理では?」


:まぁ、プロがやるやつだし

:目が良くても無理だわな

:イルカちゃんって目良いの?


「私はかーなーり目が良いよ! 人の姿でも、5メートル離れた位置にある10マイクロメートルの機械を判別できるからね!」


:よく分からんがすごいのはわかる

:なんだろう、嘘に聞こえないのが怖い


「竜の姿なら、もっと遠くまで見えるんだけどn『カチッ』またぁ?!」


─ガガガッ!


横の壁の一部が飛び出てきた?! 上のトゲじゃなくて?! まぁいっか!


「ていっ!」


─バキャッ!


:壁がぁぁ!?

:どんなパワーしてんだよ!?

:若者の人間離れ

:素手のチョップで石ぶっ壊すなww

:粉砕!玉砕!大喝采!!

:社長落ち着いてください


─パラパラ…


「……別に壊さなくても避ければよかったね、これ。さっきの矢よりも全然遅かったし」


:気づけて偉い

:誰目線なんだよw

:矢よりは遅いけど結構早かったよ?


「にしても、こんな仕掛けを用意するなんて奥になにかあるとみた!」


:どんなお宝があるのか

:これは気になるねぇ


「トラップに引っかからないように進んでこ!」


:あと何回かかるかな?

:まだまだ引っかかりそうだな


「さすがにもうトラップには引っかからないよ!? 私だって学習能力ゼロじゃな『ガコッ』…ゼロだったかも」


:草

:高速フラグ回収で草

:www

:この通路の床スイッチだらけやん


「……あれ、何にもない? もしかしたら、さっきのチョップで内部構造に影響が…?」


:やはり暴力…! 暴力は全てを解決する…!

:最悪だよ

:これがパワー系ヒロインですか


「うーん…? まぁいっか!」


:まぁいっか!

:まぁいっか!(思考停止)

:そんなイルカちゃんが何も考えてないみたいな


◆◆


「…いや結局天井のトゲはなんだったの?!」


:上手くそのスイッチだけ避けたんじゃね? 知らんけど

:長かったな…

:20分くらい掛かった?

:18分41秒やね


「あー、もうかなり日が落ちてきたかな?」


:外が確認できないのがもどかしい

:20分も経ったら日だって落ちるだろ

:日本はもう8時だけどな

:日本どころか地球か怪しいし…


「もうそろそろお宝にたどり着けると思うんだけど……。あ、ここが最後の部屋って宝箱だああああ!!」


:分かりやすく宝箱

:宝箱やぁ!

:そんな分かりやすいことある??

:ホコリ被ってるけど宝箱やな

:オタカラ発見!


「なんかやたら横に大きくない? でも作りはちゃんとしてるし、中身は大丈夫そう? よーし『バキッ』中には何が入ってるのかな〜?」


:今なんかすごい音したんですが?

:絶対に鍵必要なやつ…だと思ったんだけどなぁ…

:力ずくで開けやがった


「これは…!?」


:ごまだれ〜

:ごまだれ〜


「おぉー! 刀だぁ!」


:すげー!

:マジでお宝じゃん!

:銃刀法((ボソッ…

:鞘カッコイイな

:オタカラキタ━(゚∀゚)━!

:誰がどう見ても刀

:洋風の遺跡で刀…?

:長い刀だなぁ


「あ、なんか書いてある。…何語? 読めないから後回しでいっか。さてさて…それじゃあ、みんなが気になってるであろう刀身を見ようじゃないか!」


:銘柄名?

:さっきの日記と同じ言語っぽかった

:よく分かるな

:抜刀する? しちゃう?


「しちゃう! いくよ! 抜刀!」


─シンッ!


:カッケー!!

:虹色の刀身だとぉ?!

:光の反射がすごい

:キラキラしてるねぇ

:待って、イルカちゃん武術とかやってた?

:動きが美しいですわー!

:業物だろコレ


「ゲームの動きを真似して抜刀してみたんだけど、すごくいい感じ! それとこの刀身、多分だけど…芯は鋼じゃないかな? その周りに光を反射するコーティング加工してるみたいだし」


:真似しただけであんなにカッコイイのは反則だろ

:刀は鋼で作るものだし、当然と言えば当然か

:キラキラコーティングいる?

:いる(鋼の意思)

:ミラーボール的な?


「いやー、いいお宝ゲットできたね! 満足まんぞく!」


─チャキ…!


:納刀が上手すぎる

:武士ですか?

:ドラゴンだしそれくらいは…

:なんでドラゴンが刀を使えるんですかねぇ

:イルカちゃんだし…

:もう遺跡探索終了?


「そうだね! 今日はキリもいいし、終わろうかな。この刀の性能は明日以降確かめるよ! じゃあね! また明日! おやすみなさい!」


:バイバイ!

:おやすみ!

:また明日!


─この配信は終了しました─

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