第3話

 

「うーん良い天気! たまにはクレーターで寝るのも悪くないね」


ふっふふーん♪ 昨日の初配信は大成功だったんじゃないかな? 配信中に登録者数が30人までいったからね〜! 寝てる間に増えたかな〜?


とりあえず着替えて、シャワー浴びて、ながーい緑髪のお手入れをして……完了!


確認確認……うぇ?!


「700人?! 増えすぎじゃない?!」


どうなってるの!?


……まぁ、バズったから大成功ってことでオッケー! 今日も配信しよっと。


何をしようかな? 自己紹介は昨日したからー…この流れをもっと大きくするためにー……どうしよう。


─ピロロー…!


「…変な鳥。…………あ、これだ!」


この星の生物・植物・鉱物とか、地球には無さそうなものをいっぱい紹介すればいいんだよ!


そうだなぁ…今はまだ朝だから、夕方頃までにどれにするか決めとこ。


「とうっ!」

『ピギェェェ!?』


あ、かすった。


◆◇◆


:お、始まった

:緊張してるww

:ガチガチじゃんww

:森か


「は、はーい! こんばんは! イルカさんだよ〜。初めましての人がいっぱいだね! てゆーか、既に200人ちょいいるのなんで?!」


:昨日あんだけやったらそりゃあねぇ?

:火を吹く美少女とかインパクト強すぎんだよな…

:まだ場所特定できないとかマジ?

:マジやで

:ていうかタイトルどういうこと?


「あ、そうそう。今日はね、この星で見つけたキレーなものを紹介する予定だよ! おやつに隕石を食べながら見つけたんだよね」


:おやつが隕石……???

:何を、言っているんだ…この子…?

:隕石って石だよ?

:お、美味しかった?


「うん! ニッケルが効いてて美味しかったよ!」


:ええ....(困惑)

:塩が効いてて、みたいに言うなww

:ポテチかなw?


「ほらこれ残しておいたやつ。みんなも食べる?」


:いや無理です

:え、遠慮させていただきます

:…ガチ隕石っぽいな

:え、マジで?


「って、話が逸れちゃった。見せたいものはこっちにあるんだ! ついてきて〜!」


:あ、カメラマンいるんだ

:特定班〜! この森どこ〜?

:いやーキツいっす


…ん? あれ、なんかカメラマンがいることになってる? いないんだけど…。証明するには…鏡でいっか。拡張空間に…あったあった。


:えええぇぇぇ?!

:空中に穴空いてる?!

:これが噂のやつか…


「? みんな拡張空間これ知らない…よね。これはね、私たちの星で昔からある技術だよ! このブレスレット型デバイスで空間を─ってこれだよ! 今日紹介する花は!」


鏡は戻そ。カメラマンいないのを見せるのは後でいいや。


:待て、ちょっと待て

:情報量が多すぎるっぴ!

:うーんわからん! 有名大学頼んだ!

:無理っす

:うわすっごいキレイな花

:こんな花あるんだ

:そんなこと言ったら森の木も日本じゃ見ないし

:花びらめっちゃカラフルだ!


「この花の名前なんて知らないけど、虹色ですんごいキレーだよね! 他にもたくさん生えてるよ! 群生地ってやつだね」


:急に開けてる場所に出たな

:すげー幻想的!

:美少女と花畑…絵になる

:自分スクショいいすか?

:かわいいポーズ頼む!


「かわいいポーズ? 花畑だから…寝っ転がるとか? ごろ〜ん」


:かわいい

:めちゃかわ

:イルカちゃんの衣装汚れない? 大丈夫?


「衣装は汚れても洗えば元通りだから問題なし! いい素材使ってるみたいだからね〜」


:そういえば衣装もすごいよな

:和ドレスってやつ?

:宝石それ本物?

:健康的な生脚が見えてて……ふふっ

:通報しました

:判断が早い

:あ、蜂いるやん


「蜂? あ、ホントだー。おっきい蜂さん、この指とまれ〜…ってこないか」


黄色のベストを着てるみたいな体色してるね。ブォンブォンすごい音で飛んでるけど。私に毒は効かないから刺されても問題ない。かわいいね。


:音エグイなそいつw

:クマバチじゃね?

:あぁ、気合いで飛んでる蜂か


「気合い? この蜂からは魔素を感じるからそれじゃないかな?」


魔素で周囲の空気の粘度を高くしてるんじゃないかな? あ、こっち来た。


:熊蜂は魔法を使って飛んでいた……?

:そもそもクマバチなのか?

:絶対にクマバチじゃない希ガス

:マソってなんぞや

:! 指に止まった!

:これにはイルカちゃんもご満悦


「おぉー、君結構ワイルドな顔してるんだね。…あ、飛んでっちゃった…」


:ワイルド…?

:たしかにワイルドだけど

:イルカちゃん虫とか平気なんだ


「うん。全然平気! よっぽど気持ち悪いやつじゃなかったらね。ほら、黒いアレとか…」


:Gのことか…

:みんな苦手だしまぁ

:蜂とか俺無理だわ

:カブトムシくらいなら…持つとこあるし


「んぶっ…! カブトムシのツノは持つためについてるわけじゃないし…!!」


:草

:持つとこww

:分かるけどw


面白い考え方する人もいるんだね。


─ピロロー…!


「あ、朝の変な鳥だー」


カメラを脳波コントロールで操作して向きを変える。うん、写ってるね。


:デカッ!

:ケツァール?

:枯れ葉みてぇな色してんな

:茶色の鳥なんて珍しい


「私も今日初めてみたから珍しいのかも? うーん、ここら辺に来たのは初めてだからわかんないや!」


カメラ戻して、と。


:だからそこどこよ

:特定班が頑張ってるはずだが…

:登録者1000人いった!

:お、マジだ


「あ、ホントだ!? やったぁ! てゆーか配信2日目で1000人ってすご! みんな〜ありがとね〜!」


:初見です。チャンネル登録しました


「△△さん、登録ありがと! 日が沈むくらいまでは続けるから、良ければ最後まで見てってね!」

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