第64話 娯楽施設2

 

「ペンギン!」


─モフっ…!


「ふわぁ〜……」

『キュッ……』

「なるほど……これがペンギンなのですね」


:いやデケェよ!!

:もふもふかわいい!

:抱きつけるサイズ感はおかしいって!

:ヤヨイさんのペンギン感が破壊される…!

:ペンギン感ってなんだよ

:ふわふわ……ふわふわ……!!

:もうト○ロやんこんなん…

:ペンギンなのこれ?

:サイズ以外は地球のペンギンだからそいつも多分ペンギン

:着ぐるみって言われた方が信じるレベルだぞ…


「鳥類でここまで大きくなるとは……不思議です」

「この『マルキシペンギン』がここまで大きく進化した原因には、餌が大きく影響しています」

「餌…ですか? 遺伝子ではなく?」


:マルキシペンギン……知らない子ですね

:どんだけ食ったらこうなるんだろ

:てかいつまでくっついてんのイルカちゃーん

:ニオイ移りそう…

:ま、まぁ、別に濡れてるわけじゃないし?

:このペンギンも大人しいなおい


「もちろん、遺伝子も影響はしています。それ以上に餌が特徴的なのです。そして……こちらがその餌になります」

「……こ、これは、その……」


:なにこれ?

:なんか板でてきたぞー?

:…見たことあるな

:え、マジ? 初めて見ると思うんだけど

:もしかして……


「はい。我々ハイドラから剥がれ落ちた鱗でございます」

「……あなたはこれを食べて生きているんですね」

『……?』


:これ食うんスか!?

:ハイドラの鱗!?

:そもそも食べようと思わないだろ…

:なんか納得したわ。ハイドラの鱗なんて食ってたらそりゃこんなデカくもなるよ

:丸呑みは無理だよな…。ばりばり食べるのか?

:鱗って栄養価高いん?

:知らね


「ハイドラの鱗には魔素や重力細胞など、成長に影響を及ぼす多くの様々な因子が含まれており──」

「なるほど。つまり──」


:????????

:何を言ってるのかさっぱりなのだ

:へぇー、なるほどなぁ

:ついてけないっす

:自然淘汰とは違う進化か

:何人か分かってる人いるのすげぇ……

:実にぃ、面白い(福山○治)

:イルカちゃん早く戻ってきてー



「すっごいふわふわなペンギンだった! 最高!」

「私も触りましたが、全くの同感です」


:羨゛ま゛じ゛い゛!!

:草

:草

:ふわふわガチ勢だ……

:ペンギンガチ勢かもしれないだろォ!?


「そういえば、いつの間にか外に出てるね」

「え、今更ですか?」

「うん」


:うんwww

:真顔で言うなwww

:草


「……ここにはペンギン以外もいるんですよね?」

「はい。亀や鰐、イグアナなどの触れ合える動物が多くいますよ」

「……水族館?」


:水族館か?

:爬虫類ばっかじゃねぇか!

:待て。ワニと触れ合い……?

:ラッコとかアザラシとかじゃないの普通

:危険……かなぁ

:イルカちゃんとヤヨイさんはワニに噛まれても無傷でしょ

:なんで噛まれる前提やねんw


「去年のゲーミングリュウグウノツカイもどこかにいる?」

「リュウグウノツカイ……?」

「イルカさん、それでは伝わらないかと…」

「あ、そっか。えー…っと、深海にいるキラキラ光る長い魚!」

「……恐らく『ナナイロノシヒョウ』のことかと思われますが、もしかしたら違っているかもしれません」


:出たゲーミングリュウグウノツカイw

:確定的に新種のやーつ

:いるんだ似たようなやつ!?

:七色の指標? 漢字合ってる?

:深海魚の飼育って大変そうだなぁ

:そこはハイドラクオリティ


「見たいみたーい! どこにいるの!?」

「そんなに見たいんですか?」

「そんなに、だよ! あの魚すごくきれーだったからね! 何度でも見たくなるじゃん?」

「……確かにそうですね」


:かわいい

:たしかに綺麗な魚は見たいかも

:ヤヨイさんがすっかり保護者だぜ

:まるで実年齢100超えとは思えない

:精神年齢低めでお送りします

:ヤヨイさんも綺麗なモノは好きってことか

:そりゃあねぇ?


「それではご案内したします。ささ、こちらへ」



「時に皆様。電気鰻がどのようにして発電をしているかご存知でしょうか?」

「? 私たちと同じじゃないの?」

「実はかなり違うんです」


:知らないでーす

:なんかこう発電する細胞的なのがあるんじゃ?

:『私たちと同じ』って、ハイドラ電気作れるんか……

:そういや調べたことないなぁ

:むしろハイドラの体の方が気になる


「我々ハイドラは外部から取り込んだ物質から得られる電子や、魔素を変換した分を鱗に貯蔵しています」

「うんうん」

「……なんか生物として強すぎませんか?」


:それな

:えっ、そんな鱗食べてんのあのペンギン

:ヤヨイさんに激しく同意


「ですが電気ウナギの場合、体を動かすことによって発電しています」

「じゃあ、魔素はあくまで補助にすぎないってこと?」

「その通りでございます。筋肉を動かす際に生じる極僅かな電気を、電池を直列で繋ぐようにして大きく放電することができるのです」

「へぇ〜!」

「体を動かして発電、というのは私達アンドロイドに似ていますね」

「てことはヤヨイちゃんも放電できる?」

「10万ボルトは余裕です」

「おぉー!」


:へぇー

:なんかよくわかんないけどすげー

:食べ物とかじゃないんだ

:人間も出来るんじゃ……?

:自爆しそう

:アンドロイドも発電でき…るよなそりゃ

:ピカ○ュウ!?

:電気タイプだったのか…!

:ヤヨイさんも大概じゃねーか!

:元が元だし…ね?


「他にも、電気ウナギは常に微弱な電気を放出し、それをレーダー代わりにもしているんですね」

「そうなの!?」

「それは初耳ですね」


:そマ?

:多分地球産の電気ウナギでも同じかと…

:なんだかちょっとカッコイイなぁ

:人より強いんじゃ……?

:実際電気ウナギの電圧は800Vくらいあったはず

:やば


「これから見るナナイロノシヒョウも同様に発電し、背鰭にある発光器を光らせています」

「電気で光ってるの!?」

「深海生物というのはすごいんですね」

「いや深海生物関係ないって絶対!」


:蛍みたいに光ってるわけじゃないん!?

:まさかの電気

:それはもうマジモンのゲーミングリュウグウノツカイじゃん

:1680万色か……



「着きましたよ。奥の方にいますね」


:これはwww

:ゲーミングリュウグウノツカイだ!

:目立つなぁww

:ここら辺が暗い文余計にね

:改めて見るとすごい長い


「めっちゃ目立つ!」

「あれ自然界でよく生きてこれましたね……」

「ナナイロノシヒョウも放電できる魚ですので、天敵は数える程ですからね」


:コイツも放電できるのか

:イルカちゃんには効かなかった…というか多分気づいてなかったでしょ

:ドラゴンにでんきは いまひとつ だから……

:今更だけど深海魚飼育できるってすごいね

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