第43話 浮島2

 

「でも、あれだね。浮かんでる島の上にあるお城って、なんかラストダンジョンっぽいよね」


:あるある

:クッパ城やん

:ラストダンジョン浮きがち

:攻略したあと落ちるのもセットで


「あー、たしかに! 昔プレイしたゲームでそーゆーのあったなぁ」


:ゲームだと簡単に落とせるからな

:派手だから演出として使いやすいのか

:イルカちゃんの国のゲームやってみたい!

:いつかゲーム実況とかする?


「ゲーム実況かぁー……あんまり考えたことなかったなー。今度1回やってみよっか!」


:やったぜ

:別の星のゲーム…気になる

:てかそっちでゲーム実況とかしてるドラゴンっているんか?

:いるんじゃね?

:ひとりは絶対にいるでしょ


「結構いるよ! 私の知り合いにはいないけどね」


:いるんだ

:やべぇめっちゃ見てみたい

:ゲーム実況するドラゴン…想像したら笑えるな

:いやイルカちゃんみたいに人の姿でやるだろ……


「案外そうでもないよ? 人の姿でいるのが好きじゃないハイドラってかなり多いし。身近なところだとお兄様とかね」


:みんながみんな人の姿でいるわけじゃないんだ

:へぇー

:頭が7つあって人の姿になれるのか?

:そこら辺はこう、いい感じにやってるんだよ


「なれるよ! 人格が7つあるわけじゃないし、お兄様の場合はただ形を変えながら圧縮してるだけだからね」


:それ絶対周りと違う方法のやつじゃん

:魔術なんてなかった


「魔術も科学の分野のひとつ、って感じだからね。過程をすっ飛ばして結果だけを得るのは無理だよ」


:なんだか現実を突きつけられた気分だ…

:最初から現実だけどな

:正直魔術と超能力があるだけでもテンション上がる

:ファンタジーは科学


「まぁ、真面目に魔法を研究してる人もいるけどねー。…あ、魚だ!」


:ほんとだ

:ちっちゃい

:え、この高さにどうやって来たんだ?

:ココ生まれでしょ


「えいっ」


─…!


「なんの魚だろ?」


:バリアで獲るなwww

:よくロケとかで使う薄い水槽みたいな使い方しないでもろてw

:これは鮎だな

:なんでわかるの…?


「おー、有識者の方かな? アユってこんなところにいるものなの?」


:いや、ちょっと分からない

:有識者じゃなかったw

:季節違くね?

:日本と全然違うからなぁ

:神奈川、茨城によくいるとかなんとか


「神奈川かー。今度行ってみようかな? じゃあねー」


─パシャン


:宮ヶ瀬ダム…宮ヶ瀬ダム…宮ヶ瀬ダム…

:ウワー! 洗脳しようとしてる!

:なんで宮ヶ瀬ダムなんだよwww

:草



「このお城から川が流れてるのかな? なーんか初めて見るタイプのお城……神殿? すごいねこれ。いろんなところから水が流れてきてるよ」


:いつぞやの遺跡と同じ文明か?

:なにそれ

:初期の配信で出てきたよ

:こんなところにもあったのか


「でも、気になったんだけどさ…」


:ん?

:なんだ?


「この水って、どこから来てるんだろうね?」


:……たしかに

:無限水源でもあんのかね

:んなゲームじゃないんだから


「無からの創造じゃないなら無限はあるんだよね。でも、そうじゃない可能性の方が高いかな。とりあえず、入ってみよっか!」


:よしきた!

:いいですねぇ


「えっと……入り口はここだね!」


:雰囲気あるわ

:入口…?

:室内ってわけじゃないしなぁ

:空綺麗


「わぁ…!! 流れる水に光が反射してるのかな? キラキラしててすごいキレー…!!」


:うおぉぉぉ!

:あー好き。めっちゃ好き

:天空の神殿ってすごい

:語彙力死んでて草


「今度ヤヨイちゃんたちに教えてあげよ♪」


:絶対喜ぶだろうな

:いいですね!


「それにしても明るい場所だねー。祭事にでも使ってたんだろーなー」


:水の神様でも祀ってたんかな

:それにしては神様の像とかないけど…

:朽ちてるわけでもないか?

:水そのものを信仰してた説


「水そのもの……可能性は高いかもね。実際、他の星ではそーゆーの見たことあるし」


:あんの!?

:さすが宇宙。なんでもあるな

:地球だけでもいろいろあるんだし、そりゃあねぇ?

:なにそれすごい気になる


「どーゆーのだったかな? たしか、水の分子が生物の始まりであり母なる海が何たらかんたら。あんまりよく覚えてない!」


:母なる大地じゃねぇんだ

:なんかそういう名前の呪文カードあったよな

:あったあった

:興味無いからって一瞬で関係ない話をするんじゃないw


「カードゲームかぁ。それも楽しそうだね。あ、階段だ」


:どこに続いてんだこの階段は

:2階とか無くね?

:ちょっとだけ高い台に繋がってるのかな

:神殿っぽくはない


「あ、ここからだと水路が見れるね」


:意外と高い

:水綺麗やな

:汚れてたりしないのすげぇ

:これ流れを逆走してったら発生源が分かる?


「そうだね! この際だから発生源を探ってみるぞー!」


:おー!

:いえーい!

:これでまたひとつ、疑問が解消されるわけだな

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る