第18話 海の中5 洞窟2

 

「おわっ、眩し! …え、眩しい? 何が─」


改札を抜けたあと、外に繋がる…いや地下なんだけど、駅の外に繋がる通路を塞いでいる岩を壊して外に出た。


そこにはすごい光景が広がっていた。目を疑う光景ってやつ?


「えぇぇぇぇ!? すごーい!! 地底都市だあぁぁ!!」


:なんだここ!?

:地底都市!?

:眩しっ!

:建物めっちゃある!

:上で水晶みたいなの光ってる!

:ダンジョンじゃねーか!


「ホントだ! あの巨大水晶が、この都市にとっての日光みたいなものなのかな? でも、ずっと光ってたら寝るの大変じゃない?」


:気にするのそこ?

:草

:水晶が太陽代わりって素敵じゃーん

:光り続ける蛍光灯みたいなもんか

:誰か居ないの?


「うーん……コウモリとか、虫の音はするけど…みんなが期待するような宇宙人みたいなのは居ないかな」


:残念…

:イルカちゃん耳良すぎ

:さすがです

:その蝙蝠までゲーミング発光してないよな?

:してないだろw


「さすがにコウモリはゲーミング発光してないでしょ。してたらウケるけどね。さてさて…それじゃあ、この都市の探索を始めよっか!」


:おー!

:おー!

:よしきた!

:良いねぇ

:何があるのか楽しみだぜ

:お宝探しといこうじゃないか



「おぉー! ここは眺めがいいね!」


:高い!

:1番高いビルなだけある

:地底か疑うレベルだなこうなると

:植物がないのが逆に怖い

:普通にコンクリートで道路あるしな

:ビルの屋上って良いよね…!

:わかる


「にしても…この地底都市、なんで此処に造ったんだろうね? 地上に造るのじゃダメだったのかなぁ?」


:確かに

:絶対地上のほうが楽だよな

:態々此処を選んだ理由があるのでは?


「そうだよね〜。理由がなかったらこんな所で都市開発しようとか考えないし、地上に造ったらいいのにね。でも、あえて造る理由を考えるなら……地上には造れなかったから、とか? みんなは何かある?」


:地下に造りたかったんだよ当時のひと達が

:スペースが足りなくなったとか?

:地上は核の炎に包まれた…

:ここら辺で鉱石採取でもしてたんじゃね?


「あー、鉱石採取か。それが1番可能性あるね。スペースが足りないなら、あの遺跡みたいなのいっぱい残ってるはずだからね」


:そっか

:元々採石場で、それがどんどん大きくなってこうなった?

:なにそれかっこいい


「駅とか造るくらいだしそうなのかもね。そういえばあの駅も結構広かったから、鉱石を運んだりするのを楽にするためって考えたら納得! ま、改札あったし全然違うかもしれないけどね」


:なるほどなぁ

:運搬用なら改札いらない

:邪魔になるだけか

:後から移動用の電車も走るようになったとかもある

:俺らには全部を知るのは無理そう?


「うーん…当時の映像でも残ってればちょっとは分かったかもだけど、多分見つからないよ? それでも探してみる?」


:無理そうならいいわ

:それならここら辺を歩いてるとこの方が見たいな

:そういうのは専門の調査員の仕事

:ある意味お宝だけどな


「なら、探さなくてもいっか! 好きに歩いて景色を楽しもうかな!」



「あのさ、すごい今更なんだけどひとついいかな?」


:ん?

:どうしたよ


「街中で水着って変じゃない? あと、裸足も」


:草

:本当に今更だな…

:変じゃない変じゃない

:大丈夫だと思います。はい

:ゲームではよくあることだから何も変じゃない


「いや、ゲームでよくあることを現実でしてたらおかしいでしょ…」


:正論すぎる

:くそっ、気づかれたか…!

:だが、今日は水着で過ごすと二時間ほど前に言ったぞ?


「うっ、たしかに言ったね…。…え、何? みんなそんなに私の水着姿見てたいの?」


:はい

:そうですが、何か?

:せやで

:正直なヤツらだなおいw


「えー、もう仕方ないなぁ。ちょっと恥ずかしいけど、今日一日は水着で過ごしてあげるよ♪」


:\(°∀° )/

:っし!

:やりましたわー!

:お前らww

:照れてる〜

:照れ顔いただきましたぁ!

:ちょっとじゃなくかなりだな


「うるさいうるさーい! ほら、行くよ!」



「そろそろみんなお腹すいてきたんじゃない? 私も何か食べようかな? みんなは何食べたい?」


:ハンバーグ

:ステーキ

:しゃぶしゃぶ!

:肉ばっかじゃねーか

:どうせなんだから魚食おうぜ


「じゃあ、さっきのゲーミングリュウグウノツカイでも獲ってくる?」


:リュウグウノツカイって食えるのか?

:さぁ?

:一応美味いらしいが…

:マズイらしいよ


「言ってる事が正反対なんだけど…? まぁ、焼いたらなんでも食べられるから味なんてどうでもいいんだけどね。てゆーか、普通に隕石の方が美味しいと思う」


:えぇ……

:ハイドラ基準の話をされても困るぜイルカちゃん

:そういやあのドラゴンも隕石食ってたな

:……あれもハイドラなんじゃ?

:そこのところどうなんですかイルカちゃん!?


「ん? あー、あの天体観測の時ね。あのハイドラは私のお兄様だよ」


:!?

:えぇぇぇぇ??!!

:はい!?

:お兄様!?

:今明かされる衝撃の事実ゥ!

:マジで!?


「あれ? 今まで言ったこと無かったっけ? じゃあ改めて……私はドルフィン・ロースター・ファフニル! イルカちゃんって呼んでね! そして〜、私のお兄様はレギオン・エースター・ファフニル! お兄様って呼んでいいよ!」


:名前カッケー!

:なんかごっつい名前

:勝手に許可していいのか…?

:呼んだら喰われそう

:大丈夫だよイルカちゃんのお兄様なんだから(怯える声)


「……って、もうこれ地底都市関係ないよね」

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