第17話 海の中4 洞窟1

 

「いつまで、って……だって、いつ水が流れてくるか分からないんだよ? 急にどばーって上から降ってくる可能性あるし。だから、今日はずっとこの水着だよ!」


:よっしゃ!

:やったぜ

:いいのかそれで…

:怪我……はしないか

:ポロリ気をつけてね!


「あ、そうだね。バリアで固定しとこ。まぁ、さっきので平気だったし大丈夫だとは思うけどね」


:くっ…!

:おいw

:期待してたのかよw

:イルカちゃんそこそこあるし気持ちは分かるが

:いや普通にドン引き

:辛辣で草


「ふふっ、残念でしたー♪ ガードはちゃんと固めるように、っていつも言われてるからね!」


:年頃の女の子だもんね

:その割には普段から肩とか脇とか見えてますけど…

:ガード性能(物理)

:普段から言われるてどういう状況やねん

:過酷なんだよ、きっと


「いざとなったら翼で隠せば問題なし!」


:そーいやそれがあったか

:もう衣装の一部みたいになってて完全に意識の外だったわ


「それにしても、もうかなり歩いてる気がするなぁ…。なのに、こんなに何も無いと気が滅入る? でいいのかな? なんかそんな感じだね」


:なんか違くね?

:言いたいことはなんとなく理解できる

:それ単に飽きてきてるだけじゃ…

:しっ…! 言わないの…!

:確かにそろそろなんかあってもいいと思う


「だよね〜……って言ってるそばから、ホントに何かありそうな場所に出たー! ひろーい! ……レール?」


:広い!!

:ライトがあっても全体が分からないくらいに広い

:レールだ!

:金属のレール、でもちょっと錆びてる?

:ここにも何者かの手が…

:ジャングルの遺跡と同じような地面してない?


「え? あー、言われてみればたしかに。レールの方は……素材と放射性崩壊の具合からみて……た、ぶ、ん…………15000年から15500年くらい前のだね」


:何故分かる??

:一万五千!?

:それあってんの?

:合ってたとしても俺らには判断できんのよ

:それ機械で調べるやつやんけ

:どこでそのやり方覚えたんだよw


「たしか、70年くらい前だったかな? ひいお爺様に教わったんだよね。将来絶対役に立つからー、って。こんなところで役に立つとは思ってなかったけど」


:…70年前? 7年前ではなく?

:イルカちゃん今何歳よ?

:と、年上?

:なんてことを教えているんだひいお爺様は

:てか、ひいお爺『様』?

:なんとなく名家っぽいとは思ってたからなぁ…

:納得

:そのレールどこまで続いてんだ?


「どこまでだろ? 私も気になる…から、追ってみよっか!」


:洞窟の中にレールか…

:洞窟とレールなら走るのはトロッコだな!

:移動用?


「うーん、まだわかんないな。移動以外にもトロッコとかは使うし……。あーでも、真ん中にレールがあるし移動用かもね。このスペースなら、地球の電車くらいなら余裕だし」


:地下鉄の通路よりも広い

:可能性あるな

:……結局、イルカちゃんって何歳なの?

:レディに歳を尋ねるんじゃないよ


「気になる〜? ひとつ言うなら、人間みんなよりも絶対に年上だよ! でも敬語とかじゃなくていいよー。距離感じちゃうからね」


:絶対ってことは100より上か

:あーそういう事ね

:おっけー!

:具体的には言わねーか

:イルカちゃんの言動が幼い感じするしハイドラの中じゃかなり若い方?


「そうだよ! まだまだ子どもだから、これからどんどん成長できるんだよー! 何百年も掛けてだけどね」


:ま、まだまだ強くなるの?

:すでにマッハ30出せるんだよね?

:ハイドラってやべー種族なんじゃ……

:大人になったイルカちゃんか…

:色気ヤバそう

:是非とも地球とは良好な関係をお願いします


「私は地球だけじゃなくて、太陽系全体と仲良くしたいなって思ってるよ! だから、心配しなくても大丈夫! あと、こーゆー言い方もどうかと思うんだけど…私たちから見たら、地球ってすんごい田舎なんだよね。他の惑星から攻められるとかないと思う」


:仲良くしよー

:ド田舎なのか…

:わざわざ侵略する理由がないってことか

:地球に生まれてよかった

:攻められたら勝ち目なくね?


「うーん…………ない、気がする。だって、平安時代の日本が戦車と機関銃で攻め込まれたらどうなると思う?」


:そりゃ勝てねーわ

:パワーが違いすぎる!

:ヤバいっすね

:将来そうならないことをひたすら祈るしかない



「駅じゃんこれ!? え、ホントに地下鉄のレールだったの!?」


:これはwww

:圧 倒 的 地 下 鉄

:まんまホームじゃねぇかw

:入ってきた扉は非常ドアだった?

:俺たちは出口から侵入したのか


と、とりあえずジャンプで柵を乗り越えて…と。


「わ、すごいしっかりとした造りになってる。1万5千年も前とは思えないくらい、当時の文明の跡が残ってるね」


:かなり日本のとは違うなぁ

:裸足で大丈夫?

:遺跡とこと似たような雰囲気

:だが駅だ

:さすがに電光掲示板とかはないか

:こんだけ造れるのにこの星には人っぽいのいないの不思議だわ

:別の星に引っ越したんだよ、きっと

:てか明かりがカメラの光だけだと怖いな

:幽霊とか出そう


「あ、階段あった。登ろっか。…んー、見た目は石ばっかりだけど、内側に金属があるね。腐食を防ぐためかな? それか、見た目にこだわってるだけ? どっちにしても、すごいけど」


:駅を造るとどの星でもこの形になるのか…

:1段のサイズ的に人間とそう変わらない大きさの生物が作った?

:宇宙人やんけ

:またネットニュースの記事が増えるな

:き、記念配信だからそれくらいは誤差だよ誤差


「たしかに、今日だけでいつもよりいろいろあったね。イルカショーにサンゴでしょ? プラスして、ヤドヅクリとゲーミングリュウグウノツカイ。で、この駅」


:冷静に考えて一日でやる内容じゃない

:しかも午後だけでこれだからね?

:詰め込みすぎィ!!

:頭パンクするでこんなん

:実際、学者は頭抱えてるだろこれ


「えぇー? んー、でも私はこれからもこーゆーこと続けるよ! 学者さん達には悪いけどね、ってこれは…改札かな?」


:頑張れ学者達よ

:草

:ぽいね

:やっぱ改札もあるか

:ホラー感がすごい……


「え、そう? 私は、冒険してるって感じなんだけど。人によって感じ方はそれぞれなんだねー」


:わかる

:人間ですから

:俺は調査してる気分

:肝心のイルカちゃんがずっと水着だからなぁ…

:深海洞窟デートですね

:どういうことだよw


「デート気分? …ありだね! それじゃあ……この先に何があるか、ふたりで一緒に確かめよ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る