第28話 工作1
「……ん?」
配信アーカイブについてるコメントを眺めていたら、気になるものを見つけた。
『スペースコロニーとかあるなら、モビルスーツの一つや二つくらいありそう』
『わかる。普通に倉庫に置いてありそう』
『なんならイルカちゃんも持ってそう』
拡張空間に……うーん、これはちょっと違うかな。ただのメカアーマーだし。地球の技術では再現できないだろうけどね?
どうせなら、もっと大きいのがいいよね。
ヤヨイちゃんはそーゆー兵器はほとんど解体して残ってないって言ってたし、自分で用意するしかないかな。場所は借りればいいし。
使えそうなパーツはいい感じに揃ってるし、作ろうか。機械兵装。
もちろんみんなと一緒にね!
◆
「─それじゃあ、全体のテーマは『主人公が最初に乗って、終盤に最新型に乗り換えらるけど、最終決戦でもっかい乗る機体』に決定!」
:すっげぇ具体的なのになったな
:激アツ展開やん
:なんか見たことあるわそういう展開w
:かなり難易度高いぞ?
:そもそも誰も作れるかどうかを疑問に思わないのか…?
:だってイルカちゃんだし
:次は色か?
「そうだね! 何色がいいかな? 私は青とか白とかが正義の味方っぽくていいと思うんだけど」
:黄色とか?
:正義の味方っぽいね
:やっぱ青だよな
:黒ベースもかっこいいと思う
:あえての赤黒
:真っ白も悪くない
:金色はどうだ?
「むむむ……色は後回しにしないと決まらなそうだね」
:色は難しい
:しゃーないね
:じゃあ何決めるの?
:装備じゃね?
「うん。装備決めよ装備! 近接武器と射撃武器で2つね!」
:二つか
:少なくね?
:最初の機体なんてそんなもんだよ
「近接武器の意見あるひとー! どうぞー!」
:パイルバンカー!!
:剣!
:拳で
:主人公だからエネルギーソードだろ
:初手パイルバンカーは草
:斧!
「おー、エネルギーソードはありだね! いかにも主人公っぽい! 決定!」
:くっ…パイルバンカーでは主人公足りえないというのか…!
:王道主人公だっつてんだろw
:作れはしそうだけどね
「よゆーで作れるよ。みんなが卵焼き作るのと変わらないくらいにね!」
:ハイドラにはめっちゃ簡単なんだなぁ…
:卵焼き作れません!
:草
:草
:それくらい頑張れよw
「と、とにかく、次は射撃武器ね! 主人公っぽい射撃武器……なんだろ?」
:アサルトライフルじゃ普通すぎるしな…
:いっそのこと、めっちゃピーキーな武器とか?
:リボルバー
:普通にビームライフルでは?
:バカでかいレーザー砲
:マグナムとかか?
「ビームリボルバーにでもする? あ、でもエネルギー系の装備ばっかになっちゃうなぁ。まぁ、それでも私はいいんだけどね」
:ええやん
:ビームリボルバーってなんだよ
:ビームリボルバーか…面白い…!
:宇宙でやり合うこと前提ならそれでいいっしょ
:SF味が出てて良きかな
:メインは剣でサブが銃か
「じゃあ射撃武器はビームリボルバーに決定! 機体性能はどうしよっか?」
:主人公機だしスピード重視だろ!
:最初の機体はバランス良くした方が良さそう
:最終決戦で乗るわけだから、何か特徴があった方が良さそう
:唯一無二の特性がクリティカルヒットするパターンか…
「なるほどなるほど。何か1つくらい特徴はあった方がいいかな? 専用機みたいでかっこいいね!」
:となると、火力よりはスピードタイプか?
:後半になるとインフレしだすからな
:わかる。専用機はロマン
◆
「うへぇ、下半身までしか作れなかった……」
:なんで出来るんだよww
:全部決まってから3時間しか経ってないよね?
:イルカちゃんなんでも出来るやんけ…
:だって(ry
「今日はもう遅いからまた明日ね! じゃあねー!」
─この配信は終了しました─
……疲れたぁ!
いやー、久しぶりに工作なんてしたね。でも、結構いい感じに出来たんじゃないかな?
うーん……でも、お兄様ならもっと早く作れるしなぁ。まぁいっか! 私は私のペースでやればいいもんね!
ところで…配信途中くらいからずっと、そこの柱の後ろから私のこと見てるアンドロイドがいるんだよね。…光速移動。
「ミコちゃんだっけ?」
「なっ!? あ、あぁそう…です」
「配信が終わるまで待っててくれてありがとね♪」
「あ、いや…邪魔しちゃ悪いと思って…思いまして。隊長にも勝手に写り込まないように、と言われているのもある…ありますが」
「そうなんだ。あと別に敬語じゃなくてもいいよ? 慣れてないでしょ」
「……悪い。そうさせてもらう」
「うんうん♪ その方がおしゃべりしやすいね。あ、そうそう。ミコちゃんってさ、あーゆー機械兵装好きなの?」
「あぁそうだ。まぁ、私は整備モデルとして最初期に生まれたからってのもあるが……」
なるほどね。
「じゃあさ、ちょっとお願いがあるんだけど〜──」
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