第31話


【身体は】完全にアーマーメタルなイルカちゃんロボに対する視聴者の反応集【闘争を求める】



:完全にアーマーメタル



:もうやりたい放題じゃねぇか!



:すごいだろ? これがイルカちゃんパワーだ



:二日で造っていいものじゃない



:これ普通に作るの1年掛かったって言われたほうが信じる



:出来ることをやるの最上位



:2日目はミコちゃんがいたっていうのもあるが…



:にしたって早すぎるんだよなぁ



:俺らの期待を軽く超える機体性能してやがる



:設定だけ見ても『無理があるだろ…』ってなるのにそれを実現してるのおかしいって



:イルカちゃん達からしたらこれがおもちゃってマジ?



:これあれだろ。バトルものじゃなくてサンドボックスゲームで使える機体だろ



:実際にアーマーメタルに出てきたらゲームバランス崩壊どころの騒ぎじゃない



:でも早すぎて人類には操作できない



:強化人間ならいけるか?



:これを造ったのがイルカちゃんでよかったと思ってる



:イルカちゃんが本気で造ったらどうなっちゃうんだ?



:イルカちゃんのお兄様これみてどう思うんだ…?



:ノリノリで案を出しまくった俺らにも責任はあると思うの



:でもなぁ、ワイらもやっぱり男の子やし…



:男のロマンは止められねぇ!



:巨大ロボで子供達の心をわしづかみにするイルカちゃんか



:初恋ハンターなるか?



:最強生物ハイドラに知能と技術を与えた結果がこれだ



:なんだかんだですごい作るの大変じゃない?



:確かにあのイルカちゃんが苦戦してる場面もあったからな…



:俺らが回路組むのと変わらないんじゃ…?



:卵焼きレベルらしいが



:人間では一生追いつけないな



:へぇー、今どきの配信者ってこんな感じなんだ



:マジかよ最高だな



:これ他の制作系が可哀想なことになるぞ



:イルカちゃんがハイドラなだけだから…



:ハードルがどんどん上がっていく〜!



:切り抜いた【動画】



:これは機動戦士イルカちゃん



:俺らの夢



:流れ星の名を冠するに相応しいスピード



:ロボ武士



:最高の技術を持つ最強のドラゴンが全力で造るとこうなる



:誰がここまでやれと言った!



:プロが手伝うとレベルが違うな



:視聴者の心を小学生時代に戻してくれる機体



:隕石斬ったやつ【動画】



:アニメかよ…



:やっぱりアーマーメタルだこれ!



:斬鉄剣



:どうしてエネルギーソードで居合切りが出来るんですか?



:やっぱつえーぜ! イルカちゃんロボ!



:こんだけ文明的なものなのにイルカちゃんの戦闘能力が強調されるのバグだろ



:制空権……制宙権?



:こんなのが攻めてきたら勝てねーぞ!



:多分生身のイルカちゃんの方が強い



:少なくともこの機体はマッハ30行かないからな!



:イルカちゃん達からしたらこれは玩具の範囲内なんだぜ? 信じられるか?



:また俺らの知らない物出てきた…



:ただ、しっかりと主人公機っぽい見た目と性能してるから強く責められない…



:配信者のやることじゃない…



:配信者ってもっとこう…平和なものじゃないんか?



:これで世界を平和にするんだよ!



:昔はそうだった…だが今は違う!




「現実的に考えて、地球で作れるわけないと思うんだが」

「頑張ればできるかもしれないじゃないですか!」

「どう頑張ったら物理法則を無視してそうな動きが出来るようになるんだよ」

「それは先輩が考えてくださいよ〜」

「自分で考えろ」


……エネルギー源はダークマター変換炉とか言ってたか? そんくらいの技術があるってんなら、重力に干渉するのは難しい事じゃないだろうな。


質量を偏らせる事で重力を操作……いや、それだけじゃないか。


背中の部分にスラスターとかよく言われるやつが付いてたし、完全に分からないってわけじゃなさそうなんだよな。……あの加速力は意味が分からないが。燃料が違うのか?


「…あ、これ美味しいですぅ」

「そうか。……ちょっと待て、お前それ俺のだろうが」

「先輩も1つ欲しいですか?」

「だからそのアルフォード、俺が自分で買ったやつなんだけど? 一つとかじゃなくて全部俺のだ馬鹿」

「ケチですねぇ先輩は。じゃあ、あと10個で手を打ってあげますよ」

「それ俺一枚しか食えねぇじゃねぇか。いいから返せ」

「あぁー」


もういいわ、家帰ってから食うか。


さて……何だったっけ?


……あー、そうだ。重力操作であの機動をしてるかもしれないって話だ。


まるでゲームかアニメだよ本当に。


「あれで地球に来られたら大変なことになるだろうな…」

「あれ? 先輩イルカちゃんの配信見たんですか? ちょっと前に、イルカちゃんは星羅ちゃんに雰囲気が似てるから見ないとか言ってませんでしたっけ?」

「俺は『宇宙のイルカチャンネル』に出てきた大型機械兵装を見たんだ。あのイルカ…さんを見たわけじゃない」


今、『呼び捨てとか許さん!』みたいな目でこっち見なかったか?


「なんなんですか? 今のじゃ、言い訳してるようで否定できてないですよ?」

「配信を見たわけじゃないから否定できてるだろ」

「じゃあWetubeの履歴見せてくださいよ。そしたら信じてあげますよ?」

「……織歌、めんどくさい女はウザがられるぞ?」

「先輩にだけは言われたくないんですけど!?」

「はいはい、そんじゃ俺はもうそろそろ講義あるから行くわ」

「ちょっとー!」


次は教授のか。楽しみだな。

 

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