第55話

 

ミコちゃんにコントローラー渡したら返ってこなさそうとは思ったけど、案の定だった。私よりノリノリでポービィやってるんだもん。


でもそっか、ミコちゃんはゲームやるの初めてだから仕方ないよね。性格的にこーゆーの好きそうだし、夢中になるのは予想してたから。


多分レースゲームで体も傾くタイプとみた。


あと、コントローラー壊さないかちょっとだけ心配になる。力加減は私もそうなんだけどね? うーん、ミコちゃんは精密機器に触れることも多いから大丈夫だとは思う。


「いけ! ポービィいけ!」


:ファイヤー!

:燃えろ燃えろー!

:ひっでぇwww


─ミシ…!


やっぱり心配だから、今度専用のコントローラー作ろ。頑丈なやつ。


「あ、ゴール見えてきたね!」

「本当だ。かなり進むペースが早いな」

「まだ序盤だからね!」


:今のところめっちゃ簡単

:一面だからなぁ

:これからちょっとずつ難しくなってくのか?

:最後の方結構大変なんだよなこれが


「いいな…! そうでないと面白くない…!」

「……ミコちゃんってMなの?」

「んなぁっ!? だ、断じて違う! 分かるだろ!?」

「わかんな〜い♪」

「イルカさん!」


:おや…?

:草

:えぇ〜? ほんとにごさるか〜?

:高身長白髪ロングM気質ポンコツ美人整備士…ってこと!?

:多いなw

:整備士というよりニートでは?


「Mじゃないからな私は! それと解雇されてないからニートでもない!」


:でも実質ニートじゃん

:ポービィしながらする話じゃねぇw


「整備する必要が無いということは良い事なんだから、それでいいんだ」

「そうだね!」

「あぁ。さっさとゴールするか」


ポービィがゴールの小さな星を掴んでステージクリア! リザルトの後、ステージマップに戻ってきた。


『集めたドリームスターの力でボスまでの道が開いた!』


「ボスだって!」

「ボスか…! どんなバトルになるのか楽しみだな」

「だね!」


:……戦闘狂?

:ふたりして戦うことしか頭にないのだ…

:ボス逃げて超逃げて!

:逃げルォ!

:1面のボスだから簡単に倒せるのかな?


「さすがに最初のボスがめちゃくちゃ難しい! なんてことはないでしょ」

「それはものによると思うが、少なくともこれはそういうのじゃなさそうだしな」

「だよね! それじゃあ、れっつごー!」

「ゴー!」


:ごー!

:ごー!

:突撃ィ! バンザーイ!

:にほんへ草



「随分廃れたビルだな…」

「だねー。草ばっかり」

「音楽が、こう…緊張感を高めてくるな…」

「いかにもなにか出てくるって雰囲気の曲」


:嵐の前の静けさってやつか

:不穏な空気感

:BGMがちょっと怖い

:エスカレーター草生えすぎでは?


「これは…この中から能力を選べということか」

「みたいだね。あるのは、ソード・ファイア・ボムの3つ、どれにする?」

「ファイア一択だ」


─キラーン!


:迷いがねぇwww

:ミコちゃんそんなに気に入ったんかファイアw

:ボスが火あぶりにされてしまう…!

:まぁ実際俺らも火あぶりにしたよね

:それは言っちゃいけない


「道はこっちか」

「どんどん階段登っていってるね」

「……ん? 視点がちょっと変わっ…蛇!?」

「すごっ! 外側におっきなヘビいる! …なんかこっち見てない?」

「えっ」


─ガシャァァァァン!!


『キシャァァ!』


「「!?」」


:!?

:窓ガラス突き破ってきた!?

:デカッ!?

:ビックリしたぁ…

:てか今のよくポービィかわしたな!?


「こいつがボスか! 勝負だ!」

「気をつけてねミコちゃん!」


:やる気まんまんじゃん

:殺る気

:草

:頭だけ出してる蛇って怖いな…


「とりあえず近づいて…危なっ!?」

「ちゃんと噛み付いてくるじゃん!」


:結構大ぶりな攻撃だな

:その攻撃の後に出てくる星って何?


「攻撃の後に出てくる星は、ポービィがすいこみできるやつ…だったっけ?」

「なるほど、能力がなくても倒せるようにできてるんだな」

「初代からこんな感じだったよね」


:せやね

:へぇーすご

:縛りプレイでなりきり能力使わずにやる人とかいるからね

:そんな人…見たことあるな


「噛みつきを避けて…ここっ!」


『キシャァァ!』


「おー! 効いてるきいてるー! 半分いった!」

「ん? 第二形態…といったところか?」


:やるじゃんミコちゃん

:誰目線なんだよw

:初めてでここまで操作できてんのすごない?

:ミコちゃんポンコツだけどこういうことは上手いんだな


「一言余計だ!」

「大技くるよミコちゃん!」

「え、のわぁ!?」


:捕まった!

:コメント見てるから〜

:噛み付かれて振り回されてる!

:ポービィさん!?

:めっちゃ体力持ってかれてんじゃん!


「ぐっ…この蛇め…! 燃やし尽くしてやるッ!」

「ちょっとやられただけでキレすぎじゃない?」

「ポービィがやられているんだぞ?!」


:草

:感情移入しすぎw

:楽しそうでなによりです


「よし…よし…! もう少しで倒せるぞ!」

「いけいけー!」

「これでトドメだッ!」


『シャァァァ!?』


─バァァァン!


「倒した! やったぞ!」

「おぉ! おめでと! ステージクリアだね!」


:終わったぁ!

:ポービィのボス戦は倒す瞬間が一番好き

:撃破ー!

:やっぱファイア強い


─テレレテレレテッテレン♪


「……そのダンス何?」

「勝利の舞的なやつじゃない?」

「煽ってるだろコレ…」


:草

:煽りは草

:確かに謎ダンスだよな


「ワールドマップに戻ってきたね。これで2面に行けるようになったよ! だけど、時間的に今日はここまでかな。ミコちゃん、ポービィやってみてどうだった?」

「そうだな、かなり楽しかったぞ。特に、いくつかの能力を分けて進むのは楽しかった」

「だよね! 次は私と交代でやろうね!」

「あぁ!」


:尊い…

:次はいつになるかな


「それじゃあみんな! またね! バイバーイ!」

「じゃあな!」


─この配信は終了しました─

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