概要
彼は高校生の姉、水城皐月と力を合わせて、忙しい日々を過ごしていた。
そんな八雲は初恋もした事が無い。
同級生からのアプローチに気付きもしない姉を見て溜息をつきながら、いつか自分も恋をする日が来るのだろうかと、つい考えてしまう。
とは言えそのいつかはまだ先の話。それよりもスーパーのタイムセールの方が気になってしまう。
恋なんて僕にはまだ早い。そう思っていた八雲に訪れた出逢い。
これは彼女との間にある12センチの差を埋めようと頑張る、健気で真っ直ぐな少年の恋物語。
※この話は「お隣の吸血鬼くん」のスピンオフ作品となっていますが、この物語だけを読んで頂いても問題無い作りとなっています。こちらには吸血鬼の要素は皆無です。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!追いかけ、すれ違って、12センチ。その距離は。
両親を亡くし、高校生のお姉さんと力をあわせて日々暮らしている小学五年生の八雲くん。彼が恋をしたのは、お姉さんの親友だった。
年上のお姉さんへの憧れ――で、終わってしまいそうな初恋。けれど、八雲くんはあきらめません。
物語はとても長いスパンでふたりの恋と人生を追いかけています。懸命に追いかけ、すれ違い、空回りしながら、互いを想う気持ちだけは変わらない。
そして、作中たびたび出てくる『12』という数字。ラストまで読むと、ああぁーなるほど! と思わされる納得感とすっきり感が、とても気持ちよかったです。
また、こちらは『お隣の吸血鬼くん』のスピンオフ作品ですが、こちら単独でも問題なく楽しめる…続きを読む - ★★★ Excellent!!!懐かしい少女漫画のような一作!
ふと小学生の時に夢中で読んだ少女漫画を思い出しました。漫画であったのなら全巻コンプリートするだろうなと思います。主人公の八雲くんはとにかくハイスペック、ヒロインの霞さんは可憐で少し大人なお姉さん、でもそう見える霞さんにも悩みはあって……。
お互いが好きどうしでも上手くいかないこともあるのだなと勉強になりました。小学生と高校生の恋愛、現実にはあまりない話だと思いますが話はとにかくリアル、各人の描写も深く掘り下げられて「うんうん」と頷くところがたくさんありました。個人的には八雲くんのお姉さんの皐月さんも気になります。しっかりしていて弟思い。素敵な人だなと思いました。
本作はお隣の吸血鬼くんという…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その『差』は
このお話の主人公は、お隣の吸血鬼くんシリーズでお馴染みのスーパー愛され系弟『八雲君』と、その八雲君のお姉さんの親友『霞ちゃん』。
そう、『お姉さんの親友』なわけです。
ということは、年上です。
しかも、1歳や2歳じゃない。5歳です。
想像してみてください。
もしあなたが5歳下の子から――しかも、親友の弟から本気の好意をぶつけられたら。男女逆ならありそうですけどね。
しかも、当時は小学生!
普通なら軽くあしらって終了なはずです。
けれど、そんなことにはならずにお話は進んでいくのです。
霞ちゃんがショタコンだから?
いいえ、まさか。
八雲君がとびきり良い男だからです。
追い付きたい12…続きを読む - ★★★ Excellent!!!しっかり者の小学生・八雲が恋した相手は、お姉さんの同級生……
同じ作者の作品『お隣の吸血鬼くん』で登場していたしっかり者の小学生・八雲くんが活躍する恋の物語です。
今回の作品はもう一つの新たな物語として、路線も新たに爽やかな恋愛模様を描き出していきます。
主役の八雲君がしっかり者で、小学生にして将来のイケメンぶりを発揮しつつ、憧れのヒロインに追いつきたいと奮闘する姿がなんとも微笑ましくカッコよく描かれます。
対するヒロインの霞さんもまた、ちょっと予想外の年下の告白から、グラリグラリと心が揺れ動いていきます。
もうこの二人の距離感がくっついたり、離れたりが読んでて身もだえします。この辺りは作者の絶妙な構成が素晴らしいです。
基本的にコメディータッチで…続きを読む - ★★★ Excellent!!!健気で一途な、しかもカワイイ男の子!(は~と)
最初から最後までキュンキュンドキドキしっぱなしでした。
題名にもある12センチ、主人公はまだ小学生の男の子ということで、ああこれは○○の差なんだろうな、と予想はつきます。主人公の八雲くん、その12という数字にずっとこだわっています。作者さまはこの数字を何度も取り上げて色々な意味で使っておられました。最後まで読んでああ、なるほどとうなずかせられました。
私など、青春なんて遥か遠い昔のこと、すっかりスレて枯れ果てた大人ですのでこんな一途でピュアでピチピチな恋物語には心が洗われました。脇役の皆さまもいい味を出しておられます。
この作品の前に関連作「お隣の吸血鬼くん」を読んだ時、そこに出てくる…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その十二㎝がもどかしい
二十歳も半ばを過ぎたら、別に恋愛に『年の差』って関係ないかな、と個人的には思います。(もちろん、犯罪はいけませんよ)
年下カレシでも、年上カノジョでも、三歳離れていようが、五歳離れていようがあんまり不自然には思わないのだけれど。
これが、男の子側が小学六年生。恋した相手が高校一年生となると、様相が変わってきます。
明らかに一方は子どもな訳で。
身長差も、体格差も、そして考え方にだって違いが出てくる。
なんてったって、二人には確実に『距離感』がある。
『好き』なだけに、もどかしい。『好き』なだけではどうしようもないから焦れる。
そんな微妙な『距離感』がありながらも、この作者様特有の、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!素直でがんばりやな弟系男子(?)の恋愛物語
「その12センチを埋めたくて」
「その12センチを追いかけて」まで読んだレビューです。
あらすじにある通り、主人公・八雲君の恋物語です。
そして同時に、成長の物語でもありました。
両親を亡くしていたり辛い設定はありますが、その辺りで重くなることはありません。
穏やかでほんわかした雰囲気で話が進みます。
純粋に恋愛物として、身構えずに楽しむことができます。
八雲君が本当に良い子で、そしてカッコイイところを見せたりもします。
思わずニヤニヤしてしまいますね。
……本当に、どこでそんなテクニックを覚えたのやら。
そういうので癒されたい人にはオススメです。