その十二㎝がもどかしい

二十歳も半ばを過ぎたら、別に恋愛に『年の差』って関係ないかな、と個人的には思います。(もちろん、犯罪はいけませんよ)

年下カレシでも、年上カノジョでも、三歳離れていようが、五歳離れていようがあんまり不自然には思わないのだけれど。

これが、男の子側が小学六年生。恋した相手が高校一年生となると、様相が変わってきます。

明らかに一方は子どもな訳で。
身長差も、体格差も、そして考え方にだって違いが出てくる。
なんてったって、二人には確実に『距離感』がある。

『好き』なだけに、もどかしい。『好き』なだけではどうしようもないから焦れる。

そんな微妙な『距離感』がありながらも、この作者様特有の、ふんわりとした雰囲気と主要キャラクターの柔らかな造形がうまく作用し合って、なんともほのぼのとした世界が作り上げられています。

「大人になれば、そんなことなんでもないんだよ」
と、つい言ってしまいがちになりますが……。

渦中にいる『当事者(こども)』からすれば、
「大人になるまでじゃあ、どうすればいいの」
というところでしょうか。
その必死さと純粋さについ主人公の八雲くんを応援してしまいます。

さぁ、どうぞこの作品をご覧になり、あなたも是非、『八雲君と霞さんをくっつける会』にご入会ください!

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