追いかけ、すれ違って、12センチ。その距離は。

両親を亡くし、高校生のお姉さんと力をあわせて日々暮らしている小学五年生の八雲くん。彼が恋をしたのは、お姉さんの親友だった。

年上のお姉さんへの憧れ――で、終わってしまいそうな初恋。けれど、八雲くんはあきらめません。

物語はとても長いスパンでふたりの恋と人生を追いかけています。懸命に追いかけ、すれ違い、空回りしながら、互いを想う気持ちだけは変わらない。

そして、作中たびたび出てくる『12』という数字。ラストまで読むと、ああぁーなるほど! と思わされる納得感とすっきり感が、とても気持ちよかったです。

また、こちらは『お隣の吸血鬼くん』のスピンオフ作品ですが、こちら単独でも問題なく楽しめると思います。が! 本編を読んだ人だけがにんまりできるエピソードもそこかしこにあります。ので、ぜひ両方読んでみてください。楽しいですよー。

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