概要
記憶をなくした少女・ペケは、ニコと名乗る駆け出し魔女に拾われる。どうやらここは異界のひとつ、魔女ばかりが住む「魔女界」らしい。
ペケは記憶を探すため、ニコとともに異界巡りの旅に出る。空飛ぶカボチャ、羊が実る木、方向音痴の気まぐれ太陽。絵本のようなメルヘン世界を、二人の少女はちっぽけな魔法をやや強引に使いこなして駆け抜ける。
ポンコツ少女と駆け出し魔女の、不思議だらけの大冒険が始まった!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!このヘンテコな異世界の旅で、まさかこんなに胸が熱くなるとは……!
これは今までの異世界ファンタジーとは一線を画す、ヘンテコだらけのファンタジー作品だ。そして、二人の少女の熱い友情物語でもある。さらに、主人公の出自を探る、バリバリの伏線ものだ。終盤になって、胸が熱くなって、目頭を押さえる自分に、自分自身が驚いていた。
凶暴なリンゴ。サラダになるコウモリ。カボチャは宙に浮いて実る。羊は木から生まれ、凶暴な森の主は走る。そんな森に、記憶をなくした主人公が転がる。その主人公を、魔女のニコが拾うことで、物語は始まる。この世界には魔女、魔法少女、魔導士、人間の区別があり、魔女や魔法少女、魔導士は、それぞれ数字や文字、記号の鍵を持つ。ニコは文字通り「Ⅱ」の鍵を持ち、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!商業作品をも圧倒する超怪作ファンタジー
個人的には忍殺以来の衝撃です、コレ。
例えるならニンジャスレイヤーとメイドインアビスとハリーポッターを足して10を掛けたような怪作。
本作の最大の魅力は大量に出てくるトンチキ世界観。方向音痴の太陽、畑で採れた懐中時計、羊が実る木、自生する煙突、ヤマタノパンダ、野生のイカダといったトンチキメルヘン描写が当然のようにどんどん出てきて読者の脳をぶっ叩き続け、しかも出オチに留まらず奥深い世界観を構築していく。
それどころかトータルで見るとなぜか王道冒険ファンタジーでしかなく、ワクワクが止まらないのが卑怯。
序盤こそ荒削りでスロースターターな印象を受けるが2章あたりから加速度的に面白くなっていくの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!気まぐれな太陽は、二人の魔女の勇気を照らす。これぞまさにファンタジーだ
何も無いってのはとても怖いんです。だから最初は、見るもの全てを振り払うんです。だって何もかもが初めてだから、戸惑うんです。
そして独りぼっちってのは凄く寂しいんです。だから求めてしまうんです。だって誰かが隣にいてくれるのは、凄く暖かいから。
この物語は、そんな何も無い魔法使いと、寂しがり屋な独りぼっちの魔法使いが出会い、不思議な世界で不思議に戦い、不思議な人々と太陽に照らされ、真っ直ぐと成長していく物語。
作者の豊かな表現力で目の前に映し出される景色の数々は、その彩に圧倒されること間違いなしです。
のらりくらりとまどろむ猫っぽい太陽や月。空飛ぶ島に虹の橋。羊が実る木や苗から育つニワト…続きを読む - ★★★ Excellent!!!メルヘン世界で冒険&本格バトル!
最初は「変わった世界観だなー」くらいの気持ちで読んでいたのですが、読み進めるほどにぐいぐい惹きこまれちゃいました。
まず世界観が面白い。不意打ちのように紛れ込むトンチキ描写で笑ってしまう。しかも作り込まれてる。魔女達のキャラもいい。そしてキャラの積み重ねときれいな設定回収でどんどん盛り上がるんだから面白いに決まってる。
あ、皆さんのレビュー見てると作り込まれた世界観を推す声が多いみたいですが、私的には何よりバトルシーンを推したいところ。だって魔法の応用ラッシュすぎて面白いんだもの!
そもそも冒険モノなのに、主人公の魔法は殴るよりも弱い衝撃波。相棒の魔法はモノをラクガキに変える魔法などなど。…続きを読む