このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(104文字)
うまく言語化できないし、私は彼を真に理解できないけれど、これはきっとハッピーエンドです。
見てくれ。少年が覚悟決めて愛した女の子1人を何を犠牲にしても迎えに行く物語続きが欲しいが続きが欲しくない物語
“彼女の犠牲により、世界は救われた。 そして訪れた平和な世界。彼女が居らず、自分以外が彼女を覚えていない。それでも平和な世界。 もし、彼女が自らの意志で、後悔なく、進んで犠牲になったのならば、『俺』はこの世界を赦さなければならない。彼女を犠牲にして生き永らえた、このクソッタレな世界を。彼女が望んだ、平和な世界を”__________ そんな心持ちの少年が、自身に寄生した相棒と共に、彼女との日々を懐いながら、『愛が、正義に敗北した世界』を赦そうとする話。
純愛の極致。なぜそこまで頑張れるのかを魔王が勇者に問いかけたとき、「自分が死ぬよりも~~(大切な者)が死ぬほうが怖い」などのセリフになんとなく聞き覚えはありませんか?つまり愛です。これは、悪が正義に敗北する勧善懲悪のハッピーエンドではありません。正義が悪に敗れるバッドエンドでもありません。一が九十九の犠牲となる物語です。一が九十九を滅ぼす物語でもあります。あなたには、世界を滅ぼしてでも救いたい誰かが居ますか?
うまく言えないけど、今まで読んだどの小説よりも感情が発生した(ほんとにうまく言えてないな)評価をつけるためにカクヨム登録した
とても面白かったですあまりないタイプの小説でしたが、心情描写がリアルで場面をイメージしやすかったので読みやすかったです。良い作品をありがとうございました。
魔法少女ものにしてループもの。世界を救う為に自己の存在を犠牲にしたヒロインを思い続ける少年の心情と運命を丁寧に描いている。少年の思い出で語られるヒロインはいい意味で普通であり、そこが瑞々しい魅力となっている。SF要素を取り入れた物語のスケールは大きく、それがいい読後感に繋がっている。あそこで物語が終わるから読後感がいいのは理性では納得しているのだが、せめて書籍版ではもう一話ほしいですよ、作者様。
文学に、少しのSFをスパイス程度に加えて。そして悲劇。この作品に出会えたから、もう筆を折ってもいいのではないか。そう感じてしまうようなため息の出る作品でした。
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