ただ「依頼されたから」人類を殺戮する純粋な暴力。俺は、そう呼ばれた
本来あり得ぬ筈の地球の二つ目の衛星――B7R。
スペースウォーズ計画により迎撃されたその巨大隕石を巡り、衛星軌道上に宙間都市が形成された。
月とB7R――二つの衛星が齎す引力は地球の海洋・マグマ・大気の対流活動を激化させ、人類の生息圏を大きく減少させる。
そして、来たるある日。
B7Rに由来する金属を軸とした自由落下型運動エネルギー兵器――神の杖こと【星の銀貨】が開いた戦端は地表を抉り尽くし、地球圏を巻き込む大規模な殲滅戦へと発展した。
その終結から三年後。
戦勝国であるハイランド連盟の軍人ハンス・グリム・グッドフェロー大尉は新兵の教導中、観閲式準備の最中の人型兵器アーセナル・コマンドの強奪事件に遭遇する。
居合わせた民間人の少女シンデレラ・グレイマンと共に、再び、彼らは地球圏を覆う紛争に巻き込まれていく――……が。
問題は、グリム・グッドフェローはただ常に理性的な兵士たらんとしているだけのやたら強いモブパイロットであり――。
そして、本来の筋書きを外れ、主人公シンデレラ・グレイマンと最終決戦を迎えることになったということだ。
すれ違いと勘違いが宇宙を覆う――世にも奇妙なSF架空ロボット戦記乙女ゲーの主人公と、やたらと強いだけのモブの最終決戦である。
戦場の無常と、鉄と血と炎の盟約。
鋼の規律と、憤怒の首輪。
彼らは、生き抜くことができるか――――?
※作品ヴィジュアルイメージ
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