正義、倫理、常識、総て愛の前には無力……

 “彼女の犠牲により、世界は救われた。

 そして訪れた平和な世界。彼女が居らず、自分以外が彼女を覚えていない。それでも平和な世界。

 もし、彼女が自らの意志で、後悔なく、進んで犠牲になったのならば、『俺』はこの世界を赦さなければならない。彼女を犠牲にして生き永らえた、このクソッタレな世界を。彼女が望んだ、平和な世界を”
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 そんな心持ちの少年が、自身に寄生した相棒と共に、彼女との日々を懐いながら、『愛が、正義に敗北した世界』を赦そうとする話。