商業作品をも圧倒する超怪作ファンタジー

個人的には忍殺以来の衝撃です、コレ。
例えるならニンジャスレイヤーとメイドインアビスとハリーポッターを足して10を掛けたような怪作。

本作の最大の魅力は大量に出てくるトンチキ世界観。方向音痴の太陽、畑で採れた懐中時計、羊が実る木、自生する煙突、ヤマタノパンダ、野生のイカダといったトンチキメルヘン描写が当然のようにどんどん出てきて読者の脳をぶっ叩き続け、しかも出オチに留まらず奥深い世界観を構築していく。
それどころかトータルで見るとなぜか王道冒険ファンタジーでしかなく、ワクワクが止まらないのが卑怯。

序盤こそ荒削りでスロースターターな印象を受けるが2章あたりから加速度的に面白くなっていくので、とりあえず2章ラストまで読んでみてほしいところ。

そして戦闘描写や伏線回収も一級品。モノをラクガキに変える魔法がちょっとした応用で超強力な攻撃手段になったりと、応用系能力バトルとしても完成度が高い。

総評としては世界観は商業作品含めてトップクラス、ストーリーは良くも悪くも児童文学的王道、戦闘や伏線回収は期待以上。
いいもの読ませていただきました。

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