午前四時、私たちは、夜が明けるまでの間だけ、恋人同士のようになる。
高校生の澪は、両親が離婚を決めた二月の夜、午前四時のミモザの木の下で、利き腕を怪我した画家の青年・彗と出会う。
夢を諦めていた二人は、次第に互いの言葉に励まされ、惹かれ合い、やがて再びそれぞれの夢に向き合いながら、丁寧な暮らしを送っていく。
次の冬に、二人でミモザを見上げるときは、彗が海外留学のために、日本を発つと知っていても。
夜が明けたら消えてしまいそうだった二人が、夜が明けても消えない二人になるまでの、ヒューマンドラマ恋愛長編。