第3話

衛星学園の下層部には3つの層が有り、地表から1つ目が地表施設のメンテナンス用の空間で、2つ目がライフラインのメンテナンス用の空間、3つ目が宇宙へ出る為の通路と緊急用の設備が有る。

俺は放課後こっそり忍び込もうと、校舎の下層に入るハッチの前の通路に出たら、刻波さんと海樹君が居た。


「あれ?」


「待ってましたよ。」


と刻波さんが言った。


「抜け駆けはズルいよ~。」


と海樹君。完全に読まれてた。今までも同じ様な事があったのか?


「どうして俺が一人で行こうとしたのが分かったんだ?」


と二人に聞いた。


「以前にも内の部に入って直ぐ空渡君の様に、一人でこの通路から最下層に行った学生が居たもので。」


と刻波さんが答えてくれた。


「其でその学生は?」


と俺はまた二人に聞いた。


「行方不明になっちゃったんだよ。」


と海樹君が困った様な顔をして言った。


「そいつは何か二人に言ってなかった?」


と二人に聞いてみた。


「『君たちは来るな。』と言って居ました。」


と刻波さんが言った。


んーん、俺と同じ軍属の人間か?調査に来て行方不明に成ったか?


「刻波さん達はミラージュで最下層のカメラを使って調べた方が良い。」


「空渡君はどうするのですか?」


と刻波さんに聞かれた。


「俺は直に最下層に調査に行くよ。」


俺は最下層に行く為のハッチをミラージュで開こうとしたが、開かなかった。


「開かない。」


頑強なハッチはピクリとも動かない。


「さっき言った学生が失踪してから、セキュリティが上がってるから。僕らも一緒に行けば開けれられるよ。」


二人を危険に晒す事に成かも知れない・・・

仕方ない、いざと成ったら身を呈してでも二人を守ろう。


「分かったよ一緒に行こう。」


二人の力を借りて最下層までのハッチを開いて行った。そして最下層の衛星学園の中心部に着いた。


「学生達はどの辺りで失踪したか解る?」


と二人に聞いてみた。


「噂だと衛星学園の最下層の中心辺りと言う話しだよ。」


と海樹君が教えてくれた。

俺はミラージュで位置を確認した。


「大体この辺りか。」


その時刻波さんが言った。


「ここに何か丸い跡が有ります。」


見るとそこには直径2メートル位の跡が有りその中心位の所に刻波さんが居た。何か嫌な予感がする。


「刻波さん!そこから離れて!」


俺は叫んだ。


「え!?」


その瞬間丸い跡の中心から小さな光る何かが現れ、光りの筒が上に放射去れた。


「危ない!」


「きゃっ!」


俺は刻波さんを光りの筒から突飛ばした。

だけど俺を助けようと海樹君が光りの筒に入って来た。


「うわー!」


俺と海樹君は光り包まれた。


「空渡君!海樹君!」


突き飛ばして倒れた刻波さんが、こっちに手を伸ばして叫んだ。そして俺は気を失った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る