第18話

俺達はホージョーさんの家でメイドの仕事をする事に成った。

俺は一旦、皆が居る宿屋に戻った。そして戻るとクローディアも戻っていた。クローディアの方は何も収穫が無くて謝っていた。俺は事情を説明して皆をホージョーさんの家へ連れて行く事を告げた。


「大丈夫でしょうかその方を信じて?」


とリディアンさんが心配していた。


「確かに不安は拭い切れないけど何と言うか、初めて会った気がしない女の子で、ガラナも同じ想いでした。其で信じてられる様な・・・・」


と俺はリディアンさんに言った。


「この子も居るし狙われないかな?」


とクローディアがエルフの女の子の事を心配していた。


「僕は大丈夫。」


とエルフの女の子がクローディアに応えた。


「・・・・・解りました。では参りましょう。」


とリディアンさんが促した。


俺はさっき渡された地図を見ながら、ホージョーさんの家へ皆を連れて歩いた。街から少し離れて行くと西洋に見る様な石組みの城の様な大きい建物が在った。そして建物の前には広い庭が在った。


「ここか?」


俺達は屋敷の入り口の前まで来た。


「大きいー!」


とクローディアが驚いていた。

其も仕方ない、スタジアム位の広さの敷地に西洋に良く見られる大きさの建物だからね。


「金持ちの豪邸を見ると昔を思い出して、嫌な気分だよ。あたしは。」


とガラナが言った。昔非道な扱い去れたらしいから仕方ない。


「其に仕手もどんな方なのでしょうね。その」


「アリサ・ホージョーです。」


俺はリディアンさんにその女の子の名前を教えた。そして


「そんなに悪い子じゃないとわ思いますけど。」


とホージョーさんを庇った。


そんな事を話している内に、建物の玄関の前まで来た。玄関の扉は巨人が入るのか?と思う程の大きく高かった。その扉を俺はノックすると中から人が出て来て


「貴女達はお嬢様のおっしゃって居られた、新しいメイドね。」


とメイド服を着た、20代前半の黒髪に黒ぶちメガネの女の人が現れた。


「はい!空渡勇太と言います。」


「ああ!やっぱり、変わったお名前のダークエルフの女の子と聞いていました。さあ!中に入って!」


と俺達は中に通された。中に入ると、また広いホールが有り左右にループした階段が有った。

俺達は1階の一室に通された。

中は広く10畳位は在りそうな部屋だった。家具も一通り揃って要るようだ。


「私はメイド長のレーラ。あ!二人共フードを取っても大丈夫よ。他にもダークエルフや化け猫族やユニコーン族の人も居るから。お嬢様の趣旨で集められたの。」


とメイド服の女の人が言った。

不味い!エルフの女の子がバレてしまう!


「私は魔道士のリディアン、この子は光りに触れると体が焼けてしまうのです。私はその付き添いです。」


とリディアンさんが上手く誤魔化した。リディアンさんナイス!


「この二人が前もって働けないと言った人です。」


と俺は説明した。


さっき確かダークエルフって言ってたな!


「此はチャンスだわ!」


とガラナが念波で言った。


「私はクローディア、砦村で兵をしていました。私もメイドとして働きます。」


「あら?貴女カワイイ!私の妹に成らない?」


と唐突にレーラさんがクローディアを誘った!?何だこの人!


「え!?」


クローディアが動揺していた。


「ウソウソ!」


とレーラさん。

また可笑しな人が居るなぁ。

まぁ雇い主も可笑しな人だけどね。


「それじゃぁ、ちょっと待っててね!」


とレーラさんが行ってしまった。


「エルフの女の子がバレるかヒヤヒヤしました。」


とリディアンさんに言った。


「私も咄嗟に言って仕舞いました。」


リディアンさんも焦っていたみたいだ。


「所で勇太!この子名前が思い出せないのなら、名前を付けない?」


とクローディアが提案した。


「その前にもう一度聞きたい。君の名前は?」


と俺はエルフの女の子に聞いてみた。


「う、やっぱり思い出せない。僕は何処から来て何処に行こうとしてたんだろう?」


とエルフの女の子が思い出そうとしていた。


「ん~、やっぱり名前が無いと呼びずらいなぁ。」


と俺は名前を考えていた。するとガラナが


「何と無くだけど、エトランジュ」


と名前を言った。


「良いんじゃない!ガラナにしては。」


とクローディア。


「この女ぁ、ケンカ売ってるのかい!」


とガラナが怒った。また始まった。そして俺二人をなだめた。

その時扉をノックする人がいた。扉を開けるとホージョーさんだった。


「あら、来て下さったのね。」


「あの~ちょっと聞きたいんですけど、ダークエルフのメイドが他にも居るんですか?」


とさっきの話しから、ホージョーさんに聞いてみた。


「ああ!レーラさんに聞いたのね。他の種族も居ましてよ。」


「はい!レーラさんに聞きました。」


と俺は返した。


「実は私は幼い頃、可笑しな事を言って大人達に疎ましがられて居ましたの。まるで色々な人が私は入って居るかの様に、其で他種族の方々にお会いして

お話をしました所、何故か受け入れて下さった。だから恩返しの様に他種族の方々を受け入れて居ましたの。」


とホージョーさんが幼い頃からの出来事を話してくれた。

昔の悲しい出来事が今の彼女の優しさが有るのか。と俺はシミジミ思った。


ちょっと変だけど。


「今はご覧の通り一人の人格で固定しているみたいね。

其ではレーラさん!メイド服をお二人にお渡しして。後で他の服もお渡ししますわよ。」


とホージョーさんがレーラさんに頼んだ。最後に嫌な予感のする事を言い残して


そしてレーラさんにメイド服を渡されあれ?何故か前にもこんな事が有った様な・・・・

デジャウ”か?


其に仕手もメイド服で違和感が有ったけど、今は女だった。


「レーラさん!後は頼みましたよ。」


とホージョーさんは部屋を出た。

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