第17話

ラオベンの宿屋に一晩泊まった俺達は、ダークエルフを探しに街に出ようとしていた。


「勇太!お爺ちゃんに貰ったお金が、もうすぐ無くなりそうなの。其でこの街で仕事してお金を貯めようと思うんだけど。」


とクローディアが心配した顔で言った。


「なら俺も手伝うよ!」


「では私も」


とリディアンさんが言い掛けた時俺は


「リディアンさんはエルフの子を、見てて欲しいんです。」


と頼んだ。


「解りました。また賊に連れ去られるかも、知れませんしね。」


と少し残念そうに言った。

俺とクローディアはダークエルフと仕事を探しに街に出た。

街は活気に満ちていた。中央広場には噴水をが在って、人通りも多い。出店も在ってゴミゴミしていた。フードを被って居なけりゃ騒ぎに成って居るのか?

考えてみればダークエルフの俺に人間の街で仕事が有るのか?

と考えながら歩いていると


「ちょっと其処のフードの貴女!」


その女性の声を聞いた瞬間、

何故か


ギクッ!


とした。


「其処のギクッ!とした貴女!」


とまたさっきの女性が言った。

何故だか解らないけど俺の魂が

見ては行けない!と叫んでいた。


「ちょっと貴女!」


と肩を捕まれ向かされた!


「あ~らやっぱりダークエルフね!」


とその女の子!?が言った。

ヤバい!ダークエルフだとバレた!


「私はこの街の地主の娘の

アリサ・ホージョーと言うの。貴女は?」


と黒髪ロングでクールそうなその女の子は言った。年は俺と同じ位か?


何故か初めて会った様な気が

しないし、名前も初めて聞いた気がしない。と同時にヤバい!早く逃げなきゃ!と何故か思った。


でも・・・・


「俺は空渡勇太と言います。」


「ソラワタリユウタ?さん?変わったお名前ね。それに貴女の中にはもう一人居ますわね?」


とホージョーさんが言った。


「何故解るんですか?」


「そいうのが強いから。」


とホージョーさんが笑顔で言った。


「あたしはガライア、よろしく。」


と、とっさにガラナが偽名を使った。


「所で仕事を探しているなら、内で仕事をして欲しいのよ」


とホージョーさんが言った。


「どんな仕事をするんですか?」


とホージョーさんに聞いた。


「家でメイドをして欲しいのよ、住み込みでね。お給料は弾みますわよ。」


とホージョーさんが言った。

何故か他の意味で大変危険な気がしたけど、あれ?他の意味って?何だっけ?


「勇太、普通なら金持ちの女の話しなんか断れと言うけど、昔非道な扱いを去れたからね。

でも、この女からは勇太が感じている物を、あたしも感じる。悪い意味じゃ無くね、だから・・・・」


とガラナが念波で言った。


「フフフフフ、そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。」


とホージョーさんが言った。


「わ、解りました、お引き受けします。」


とその申し出を受けた。


「じゃあ今日からで良いかしら?」


とホージョーさんに聞かれた。


「一旦、宿屋の皆に報告してからにします。」


と俺は言った。


「でしたら、宿屋の皆さんも御一緒に住み込みで如何?」


とホージョーさんが提案した。


「う、嬉しい申し出ですが、四人の内二人は働け無いので。」


と俺は正直に言った。


「構いませんわ、貴女が働いて下さるなら。私、貴女が気に入りましたので。」


「わ、解りました。皆を呼んで来ます。」


皆を呼んで来るのに不安は有ったけど、宿屋代も馬鹿にならないからね。

こうして俺達はホージョーさんの家でメイドの仕事をする事に成った。

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