第71話

サタンとの決戦の中、サタンの事情を聞き、俺は決意を鈍らせた。


だけど、サタンは容赦なくホージョーさんに斬りかかる。


その現実と皆に促され、俺は再びサタンを倒す事を決意した。


サタンは皆の迎撃をかわしながら、大剣を振り回し、斬りかかる。そしてこっちに突っ込んで来た。


それに対してリスミーさんは、サタンの魔法耐性を無効化する為、無効化の棍棒を、マテリアルチェンジして右手に装備した。


これが成功したら、エルフの戦士以外の魔法攻撃が効くようになる。


「リスミーさんの援護を!」


と後方支援のリディアンさんが指示した。


俺達はサタンに隙を作る為、攻撃を開始した。


だけど降着状態が続いていた。


「これじゃ無効化している隙がないよ!」


とクローディアが叫んだ。


「全力で攻撃するしかないですね!」


とレーナさんが同意するように応えた。


その時、ディーナさんが


「ショットウェーブ!」


と衝撃波の魔法をサタンの頭に当てると、サタンは手で頭を覆い苦しむ。


その姿を見たディーナさんは、バックステップで離れたかと思うと


「皆さん離れて!ライトニングアロー!ストーム!」


ディーナさんの光の矢の全方位魔法だ!


「遣ったか!」


とキャリブレーンが叫んだ。


無数光の矢がサタンに命中して行き、土ぼこりが舞い上がる。


と、突然サタンが土ぼこりから現れ俺は瞬時に


「気の力を集約、居合い掌!」


またエルフ化しながら、斬りかかるサタンの鳩尾に手の平を当てた。


サタンは吹っ飛び後ろの壁に激突した。だけど再び向かって来た。


「コイツどれだけタフなんだ!んー?」


と驚きと怒りをぶつけるハニッサさん。


そしてサタンが間近まで来た時


「グラビティープレッシャー!」


ディーナさんが重力波魔法を放った。


サタンは床に押し付けられた。


ん?


その隙をつき


「えーい!」


とリスミーさんが無効化の棍棒をサタンの背中に打ち付けた。


「後は俺に任せろ!」


とキャリブレーンが魔法を放そうとした時、今までの強烈な殺意から、強大に威圧感に変わり


「アンチマジックフィールド。」


とサタンが魔法無効化魔法を放った。


その時、何故かサタンの雰囲気が変わっていた。


「フハハハハハハハ!よく遣ってくれた貴様達。貴様等のお陰で奴の呪縛から解き放された。」


その言葉を聞いたリディアンが


「正かサタン本人の人格!?」


と驚いていた。


「どういう事だ!」


と慌ててリディアンさんに事情を聞くキャリブレーン。


「恐らく、転移者の人格を無効化してしまったのでは?」


とリディアンさんはキャリブレーンに答えた。


「その通り、奴の意識は消滅した。奴は俺の魔法や剣術の技等を奪った様だが、俺も奴の知識を奪った。そして奪われた魔法や剣術を奪い返した。」


とサタンは語った。


は!不味いぞ!サタンにストライクランダーの技術や、武器の技術までも受け継いだに違いないぞ!


これは難としても、サタンを倒さなければ成らない!


「勇太よ!」


「ああ!解ってるガイバーン!」


「ちょっと待ちな!アンタ達!魔法戦ならあたしに代わりな!」


と突然この身体の持主のガラナが話し掛けて来た。もう普通の魔法が効く。だからガラナに代わった。


「さあ。遣ってやろうじゃないさ!」


と意気揚々と拳を打ち付けるガラナ!

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